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生成AIの活用が、一時の喧騒を越えて「実務」のフェーズに移行している。最新の調査では、経営層の約6割が生成AIを利用し、業務への導入率も1年で倍増。もはや「検討」の段階は過ぎ、活用を前提とした企業間競争が本格化している。総務省が「使わないことこそが最大のリスク」と断じるなか、現場では技術進化への期待と、情報漏洩やコストへの懸念が交錯する。先行する「AIファースト企業」と足踏みを続ける企業の差はどこにあるのか。人材確保の最前線から、その実態を浮き彫りにする。

生成AIの活用比率は6割に、業務利用も4割超へ急増

生成AI(人工知能)の利用者がビジネスの現場で急増している。2026年2月に実施された大手企業の経営者層を対象としたアンケートによると、「業務または私用で生成AIを利用している」と回答した人の割合は6割に達し、前年からほぼ倍増した。

 

総務省の情報通信白書では、「生成AIの出現は、人類史上有数の革命といっても過言ではない」と、その重要性が指摘されている。さらに、「セキュリティリスクを恐れて活用しないことこそが最大のリスクであり、むしろ自社が次世代の『生成AIファースト企業』になるという気概で活用を推進すべきである」とも提言されている。国内の深刻な少子化に伴う人手不足に加え、AIの技術進歩や利便性の向上が、企業の背中を強力に後押ししている格好だ。

業務利用は1年間で約2倍に

総務省が指摘する「使わないリスク」への意識変化を如実に示したのが、FIXERが2026年2月に実施した経営者アンケート調査だ。同調査で「私用・業務のいずれかで生成AIを利用している」と答えた人は59.8%に達し、前年調査(2025年2月)の34.1%から大幅に上昇した。

 

特に「業務で利用している」との回答は43.9%に上り、1年前の24%から約1.8倍に急伸。少子高齢化による人手不足や採用難、企業間競争の激化を背景に、経営層の間で「AIを使いこなせる人材」の育成や確保を急ぐ動きが本格化している。

 

利用者増加の背景には、生成精度の向上もある。アンケートで「生成結果の適切さ」を尋ねたところ、「ほぼすべて適切(5.4%)」と「概ね適切(63.8%)」を合わせた肯定的な回答が69.2%に達した。前回の62.5%からさらに向上しており、技術の進化に伴って回答への信頼性が着実に高まっていることが浮き彫りになった。

AI人材の確保は道半ば

本調査は、全国の従業員300人以上の企業経営者や管理職などを対象に実施され、情報通信、金融・保険、エネルギー、不動産、流通・小売など幅広い業種から800件の回答を得たものである。

 

生成AI人材の確保策については、「自社内で育成したい」が29.4%で最多となった。「即戦力を採用したい(15.6%)」や「アウトソーシングを活用したい(9.4%)」という回答も一定数見られた。

 

一方で、「現時点ではAI人材の確保は不要(24.3%)」とする層や、「必要性は感じるが、コストやノウハウ不足で具体策に至っていない(18.9%)」という回答も依然として多い。業務への全面的な導入をためらう企業や、情報漏洩リスクを懸念する経営者が依然として少なくない現状も、今回の結果からは見て取れる。

 

 

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※本連載は、ジャーナリスト・日高広太郎氏編集協力のもと作成しております。

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