ローソク足を構成する「4つの情報」とは?
ローソク足は1つで4つの情報を持っている優れものです。その4つの情報とは、始値、終値、高値、安値になります。一般的にニュースなどで流れる終値をみただけでは、前日比でどうなったかがわかっても、日中に何があったのかまでは推測できません。
ところが、ローソク足はこの4つの情報を駆使して、日中の値動きや、勢いの強弱がわかるようになっています。
また、今後の動向を予測するヒントを与えてくれます。4つの情報があると、組み合わせた場合、何通りかの組み合わせができます。このパターンを覚えることで、株価が表すいろいろな意味を、次の値動きの予測や売買判断に結びつけていくのです。
パターンとして最初に考えられるのが、始値と終値の比較です。始値より終値が高いケースと、逆に始値よりも終値が安いケースが考えられます。始値よりも終値が高いケースでは、取引開始から株価が上昇して取引を終えたことを示しており、強いパターンになります。これが「陽線」と呼ばれるローソク足です。
一方、その逆に始値よりも終値が安いケースでは、取引終了にかけて値下がりしたことになり、株価は弱いパターンの「陰線」と呼ばれるローソク足になります。これが基本です。
[図表1]ローソク足の作られ方
この始値と終値の位置関係が陽線と陰線を決め、強弱を表します。陽線の場合は「強気」としたり、陰線の場合は「弱気」としたりと、投資家心理を表す表現として使われます。
[図表2]陽線と陰線の長さが意味するのは?
陽線が続けば「上昇基調」、陰線が続けば「下落基調」
続いて、この陽線と陰線がそれぞれ続いた場合を考えてみましょう。一日だけ陽線や陰線が作られた場合よりも陽線が続いているパターンでは、取引がスタートしたあと買われて終わることになるため、前日比で上昇してスタートした場合は、株価が上昇基調と考えられます。
また、逆に陰線が続いた場合、取引終了にかけて売られていることが考えられますが、前日比で下落して始まったあと陰線が続いたならば、株価が下落基調であることを示しています。このように、陽線が続くケースは上昇基調、陰線が続いているケースでは、株価が下落基調と考えられます。
では、みなさんは陽線が続いているときと、陰線が続いているときのどちらの時に株を買いますか?
そのまま上昇が続く保証はありませんが、陽線が続いているときの方が、取引終了にかけて上昇しているわけですから、取引開始時に株を買って、上昇が続いている間は保有しておくといったことが考えられるわけです。一方、陰線が続いているケースでは、下落基調であると考えられるわけですから、「買うのは下げ止まってから」と判断でき、下落基調のところを買って失敗するケースを減らせます。
ただ、陰線が続くケースでは、もうそろそろ下げ止まるだろうと考えてしまいがちですが、その考えが塩漬け株を作ることにつながりますので注意が必要です。
[図表3]陽線と陰線の上ヒゲ
[図表4]陽線と陰線の下ヒゲ
陽線と陰線が交互に現れたら「様子見」を
続いては、陰線と陽線が交互に現れるパターンについてです。「陽線は強気」、「陰線は弱気」を表しているわけですから、「強弱の対立」を示しています。そのため、株価が横ばいになっていることが多いのです。もしこのようなケースに遭遇したとしたら、みなさんはどのような投資行動をとりますか?
この場合、株価の方向がはっきりしていないので、様子を見るのが正解になります。ローソク足の簡単な見方やその形が表している意味を知るだけでも、これまでなんとなく見ていたチャートが全く違うものにみえてくるでしょう。
[図表5]ソディック(6143)の日足チャートニュースリリースと業界紙の報道で株価上昇が続いた
[図表6]ローソク足から読み取れる情報