(※写真はイメージです/PIXTA)

自分はビジネスで成功して大きな財を成したものの、その子どもが自立に失敗するというケースは少なくありません。自立に失敗してしまう原因は一体どこにあるのでしょうか。また、自立に失敗した子どもは、その後どのような人生を歩むことになるのでしょうか。本記事ではAさんの事例とともに、親子のマネーリテラシーの重要性について、長岡FP事務所代表の長岡理知氏が解説します。

「家庭」と引き換えに得た「成功」

自分はビジネスで成功し地域の名士となっても、その子どもが自立に失敗しているケースは決して少なくありません。

 

「お金持ちのボンボン息子」という言葉が昔からあるように、親の潤沢な財産を子供が食いつぶしていく事例は、多くの人が身近で見聞きしたことがあるでしょう。

 

富裕層にとって子息の教育は財産を守るために重要な課題です。家業を継いでもらうため、そして財産を上手に引き継ぎ子孫が繁栄するため、しっかりと育てていく必要があるのです。

 

しかし現実はそんなに簡単ではありません。特に親が創業オーナーである場合、家庭を顧みず、むしろ家庭を犠牲にしてビジネスに集中してきたケースが多いからです。

 

銀行口座には莫大な財産があっても、気が付けば家庭は問題だらけでボロボロになっている……なんてめずらしい話ではありません。

 

ここではとある社会的には成功した男性の、残念な家庭の様子を見ていきます。

 

<事例>

 

・父親A(90歳)

元パン屋経営、妻は5年前に死去

年金額:月約24万円、金融資産:4,200万円

 

・次男B(65歳)

無職、未婚

年金額:月約6万円

 

父親のAさんは40歳だった50年前、東京から東北地方のある都市に移住してきました。戦後、生まれ育った東京でパン職人として修業を始め、1970年代の40歳のときに独立を考えたのです。

 

縁もゆかりもない東北地方でしたが、自然豊かな場所で暮らすのが夢だったこと、そして都会育ちの子ども2人にのびのびとできる環境を与えたかったことなどが理由で、東北地方の海沿いの街を選びました。

 

商店街のなかに小さな店舗を借り、夫婦でパン屋をスタート。修業時代の師匠から「田舎ではパン屋は食えないぞ」と言われていたものの、ふたを開けてみるとまったく苦労することなく、大評判となりました。当時、地方の人が食べたことがないような都会的な味と品揃えだったのです。

 

競合他社が不在の状態で商売は一気に成長。郊外のニュータウンや近隣の街にも支店を構え、従業員は数十人に増えました。人材にも恵まれました。

 

「よそ者」だったAさんはいつの間にか地域の名士となり、業界団体や商工会の役員も引き受けるように。人付き合いのよさもあって、Aさんは名実ともに地域の成功者と見られるようになっていきました。

 

仕事は多忙を極めていましたが、交友関係での飲み会も多く、家をあけることが多くなりました。成功していくAさん自身とは別に、家庭内は決して順調とはいえませんでした。

 

 

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