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2023年最後の月…不動産バイヤーたちの気持ちも揺れ動く
南半球のニュージーランドは12月に入り、ようやく気温も上がって晴れ間も出てくるなど、春から夏へと季節が進んでいることを感じさせます。世間はクリスマスムード一色で、ショッピングセンターもクリスマス商戦で大賑わいです。
私たちのいる不動産業界も、最終セールの真っ只中ですが、例年と比べると静かなことは否めません。しかしながら、オープンホームに来られるのは、質の高いバイヤーの方が多い印象です。ファーストホームバイヤーが主流ではありますが、一方で中年投資家の訪問も多く、そのような方はリターン、つまり「数字」が命です。
オークランドでは、住宅地の空き地や古い家を解体した跡地を活用したタウンハウスの開発が盛んですが、現在はいよいよ完成ラッシュを迎えています。
これらの物件を今年初めに購入された方は、2年前のプラン売りでの販売価格より、10万~15万NZドルほど高い価格で購入したことになります。
しかし、銀行金利上昇の一方で売り値は下がり、11月からはさらに値下げされ、いまが底値。あわよくば、もう少し売り手と交渉することで、より一層の値下げが期待できるかも…という状況です。
売り値が下がっても銀行融資金利が上昇しているいま、それほど投資効率がよいわけではないことから「もう少し購入を待つべきか?」と悩み、年内に購入するか、それとも銀行金利の値下げ情報を待って年明けにするか、迷うバイヤーの心情はよくわかります。
いまが底値であると知っている業界人としては、いま買っておかないと、来年には値上げされるのではないか…と思うのですが、複数在庫があることを考慮し、年が明ければすぐに決算期である3月を迎えるとなると、さらなる値下げと金利の引き下げの両方の恩恵を受けられるのではないか…と予想される賢い投資家の方もいらっしゃいます。まさに、取引の吟味が難しい局面なのです。
セールスマンの身からすると、早く契約書を交わして契約成立へと移っていきたいところですが、躊躇される気持ちもわかるため、「すぐに契約書にサインを…」とは言い出しにくい状況です。
ただ、不動産売買は「こうなるかもしれない」と予測しても、いい方向へと転ぶことはあまりありません。予測に反し、値上げへと進んでしまった場合、先月の販売価格だと手が出たけど、いまはもう予算オーバーで購入できない…という後悔が残ります。それよりも、勇気を出して購入して速やかに収入源を確保し、不動産運営をスタートさせたほうが得策だったというケースが多々あります。
その経験があるからこそ、セールスマンは不動産の買いどきをと聞かれるたび「買いたいと思ったいまがそのときです」と回答することになるのです。
賃貸派も落ち着かない年末年始…いっそ購入に踏み切るか!?
一方、賃貸契約更新月が11月、12月の賃貸住まいの方々は、契約更新をしなければなりません。更新の場合、家主側から一方的に家賃の値上げを宣告されることもあります。このまま契約更新して住み続けるつもりが、仮に週あたり50NZドルの値上げとなれば、かなり痛い出費です。そのため、引っ越しを検討する方もいることでしょう。
また、家主から契約解除の知らせを受けた場合も、この暮れの時期に新たな物件探しをしなければいけません。
年末に物件探しと引っ越しはきついものがあります。そうなると「いっそ物件を購入しよう」と思い立つ方も多くいます。
しかし、せっかく決意したものの、思うような融資が受けられず、泣く泣く購入をあきらめることに。不本意ながら家賃が値上げされても、引っ越しにかかる費用や時間を考えれば現状維持しかなく、マイホーム探しも白紙…。こういった方はとても多いのです。
契約が切れるまでに、あらたに賃貸物件を探すか、本格的に購入物件に乗り出すか、それともあらゆる条件を飲んで現状維持か。それらの決断が迫られます。
賃貸契約を結ぶ際の契約には「固定賃貸契約」と「ピリオディック」と呼ばれる契約方法があります。
ピリオディックは、賃借人側が解約を希望する際は3週間前までに、家主側が解約を希望する際は90日前までに申し出れば退去が成立する、という契約です。そのため、ピリオディックでの契約は、長期で継続して住みたいと考えていても、家主の都合次第で、賃借人の状況は変わります。
その点、マイホームなら安定した暮らしが約束されます。希望物件に対して予算が足りず、悩んでいる方も多いですが、高望みをしなければ、自身で購入できる層の物件は必ずあります。最低限な形であっても、住めるなら購入をおすすめします。
若い世代の購入希望者には、あれこれと不満がある物件でも、まずは最初の足掛かりとして購入し、時期を変えてグレードアップした物件へと買い換えていく、といった手法をお勧めしています。
言うは易しと思われるかもしれませんが、狭いながらも物件を購入すれば、他人に「自宅」という人生基盤を左右されることなく、家主としての地位は確保できます。
どうしても賃貸がいい場合には、固定賃貸契約のサイクルを変える工夫をするか、あるいは、いつ追い出されるかわからないピリオディック契約のデメリットを踏まえつつも、うまく物件を確保すれば、自由な住みかえは可能です。
年末年始の忙しい時期に、右往左往しなくてすむよう、発想を変え、工夫して、ご自身で道を開いていきましょう。
物件価格は低迷、長期投資に取り組めるならチャンスも
来年は、金利も若干下がることが予想されています。住宅の販売価格は今後上昇するものの、移民の増加によって住宅不足が生じ、マイホームの確保がさらに難しくなるともいわれています。この状況は来年訪れるのか、再来年になるのかは、現段階では断言できません。
一方、家の売却を考えている方は2024年後半が穴場です。高値で売却するためにも、家のメンテナンスが重要になってきます。というのも、以前は少々古くても、購入者が購入後にリフォームをする、というのが一般的でした。しかし、昨今では資材の高騰によってリフォーム予算が確保できず、なるべく整った家を購入したい、と考える人が増えているのです。
致命的な修理が必要な家は、最初からメンテナンスして売りに出さなければ選択してもらえず、売却に時間がかかります。
本格的な住宅不足に陥った場合は、メンテナンスが必要な家を購入して自身で整え、再売りする…という投資家も出現するかもしれませんが、ここ数年の様子を鑑みると、この種の投資にチャレンジする人は少ないようです。
円安のため、相対的にNZドルは高くなり、決して投資によい時期とはいえませんが、いまは物件価格が低迷しているため、それと相殺したつもりで「将来値上がりすると思われる物件」「賃貸収入の安定しそうな物件」を見極めてみてください。日本の物件より高い利益が確保できるものがあればGoサインです。
資産分散という観点では、NZ不動産投資は、長期計画で投資ができるようなら、お得な方向へ動くと思われます。
時差はほぼないものの、日本とは気候が真逆で人口も少なく、日本の都会と比べると、静かな街が多い国。気候・時差・地域制のメリットを使い、いいとこ取りができるのが、南半球の国、ニュージーランドでの不動産投資だと思います。
今年1年もニュージーランド不動産に興味を持っていただき、ありがとうございました。来年も、可能な限りホットな情報をご提供できるよう日夜アンテナを張って活動していきたいと思います。
一色 良子
Goo Property NZ LTD 代表取締役社長
Harcourts -Shelter Realty Ltd 所属
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