過剰な「顧客満足度」追及によって自らの首を絞める日本人…物流の現場からみた、その実情

過剰な「顧客満足度」追及によって自らの首を絞める日本人…物流の現場からみた、その実情
画像:PIXTA

医療機器のなかには、病院に機器を在庫しておき、使った分だけ代金を回収するというビジネスモデルで販売しているものがある。このようなビジネスモデルは、顧客である病院側の満足度は高まるが、SDGsという視点でみてみるとどうだろうか。本記事では、過剰な顧客満足度追及する日本企業の実態について解説する。

顧客満足とSDGs

画像提供:宗像英明
[画像2]医療機器の在庫ビジネスにも非効率な面が 画像提供:宗像英明

 

サプライチェーンのDX、イノベーションによる効率化と言うことが推進される一方で、貸し出しのような商慣習そのものの見直しには焦点が当たらない。

 

いくら非効率、行き過ぎと言われてもお客様が求めるサービスレベルに応えないということは、サービスを提供する側からすれば難しく、業界の慣習にひとり背を向けることもできない。

 

それでも、EC(電子商取引)を通じて発注した本やレコードが当日に配達されるといった「過剰な顧客満足度の向上への努力」が当然だと思われる社会になってしまったと感じるし、それが持続可能だとも思えない。

 

日本では、お客様を利するという倫理観が自明の事として社会に根付き、そのことが世界に誇る製品やサービスを産みだしてきた要因ともなった。しかし、経済活動の対価をもらう対象、つまり顧客を過度に優先する目線を、自分のあとに生きる世代が無理なく生きていく土壌を耕すことに移す必要性を物流の現場から切実に感じている。

 

 

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宗像 英明

1972年生まれ。米系医療機器メーカーのサプライチェーン部門のマネージャー。日系企業を経て2007年よりサプライチェーン部門の立ち上げに携わり、現在RFID導入等のプロジェクトマネジメントに従事する。

 

 

 

 

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※本連載は、SDGsを実践する企業を支援するWebサービス「coki」からの抜粋転載です。

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