相手が困惑する質問の典型例「事実+どう思います?」だが…会話が一気に進展する〈チョイ足し〉すべき一言【カウンセラーが解説】

相手が困惑する質問の典型例「事実+どう思います?」だが…会話が一気に進展する〈チョイ足し〉すべき一言【カウンセラーが解説】
(画像はイメージです/PIXTA)

質問が下手な人はしばしば「何を答えたらいいの!?」と相手が迷うような意図の見えない質問をしがち。しかし、あるひとことをさしはさむだけで、相手とのコミュニケーションは一気にスムーズになります。※本連載は桐生稔氏の著書『質問の一流、二流、三流』(明日香出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

「何を答えたらいいのか…」曖昧すぎる質問に困惑

三流は、意見を聞く耳を持たず、

二流は、「〇〇についてどう思う?」と質問し、

一流は、どうやって質問する?

 

「日経平均株価がバブル後、最高値を更新しました。どう思います?」

 

急にこんな質問をされたら困りませんか?

 

「どうって、何が??」と思ってしまいそうです。

 

普段生活をしていて日経平均について聞かれることはあまりないと思いますが、アバウトな質問自体は、日常生活にもあふれています。

 

「今度の新企画、いい感じで進んでる?」「いまのチームどんな感じ?」「今回の運用変更、どう思う?」

 

質問が曖昧すぎていて、何を答えたらいいかわかりませんよね。

 

「やぁ、元気?」といった挨拶程度の会話ならいいですが、相手の意見をしっかり聞きたいときは、相手が答えやすいようにお膳立てをする必要があります。

 

先ほどの日経平均の話題。話題としては難しいテーマではありますが、回答のサンプルを入れてから質問したらどうでしょう?

 

「日経平均株価がバブル後、最高値を更新しました。株価が上がれば、会社の価値が上がり、優秀な人材が採用できるようになると思いますが、どう思います?」

 

上の句「日経平均株価が」と、下の句「どう思います?」は冒頭と一緒ですが、間に一つの例を入れました。

 

答え方は、「そうですね」なのか「そうとは言い切れません」なのか、どちらでもいいと思います。

 

◆答えの方向性が見えると、人は意見が言いやすくなる

お伝えしたいことは、「アバウトな質問でも、一つ具体例を差し込むと答える方向性が見えてくる」ということ。

 

よく会議でもありませんか。最初は誰も発言しないのに、一度誰かが発言するとそこから雪崩を打ったかのように意見が出始めることが。

 

答えの方向性が見えると人は安心して意見が言いやすくなるんですね。

 

相手の意見をしっかり聞きたいときこそ、具体例や感想をアドオンしてから質問すると、相手は答えやすくなります。

 

「今度の新企画、すごく面白く仕上がっているようだけど、いい感じで進んでる?」

 

「いまのチーム、すごい活気があるように見えるんだけど、どんな感じ?」

 

「今回の運用変更、工数がかかりすぎると思うんだけど、どう思う?」

 

こういったワンフレーズを差し込むのは、あくまでも自分の考えを先出しして従わせることが目的ではありません。相手が答えやすいように回答の方向性を示すことです。

 

質問に答えるということは、相手はリスクを抱えます。

 

「何を答えたらいいだろう……」「変なこと言って怒られないかな……」と心配することもあります。時にはうまく答えられなかった自分を蔑むことだってあります。

 

質問する方はまったく気にしていませんが、質問に答える方は一大事です。

 

相手の意見が知りたいなら、相手が意見を言いやすい土壌をつくるのもまた愛情の一つです。

 

【Road to Executive】

 

一流は、一つサンプルを伝えてから質問する

 

★回答の方向性を示すことで答えるリスクを下げる

 

 

桐生 稔
株式会社モチベーション&コミュニケーション代表取締役
日本能力開発推進協会メンタル心理カウンセラー
日本能力開発推進協会上級心理カウンセラー
一般社団法人日本声診断協会音声心理士

 

注目のセミナー情報

【海外不動産】7月30日(火)開催
最新の経済状況から不動産市場を分析
「マレーシア不動産投資戦略」

 

【国内不動産】8月3日(土)開催
実質利回り15%&短期償却で節税を実現
<安定>かつ<高稼働>が続く
屋内型「トランクルーム投資」成功の秘訣

 

【教育】8月4日(日)開催
毎年「偏差値40から1年で医学部合格」を実現!
京都医塾が明かす「医学部・難関大学」突破の秘訣
~志望校合格がグッと近づく「全国模試の“正しい”活用術」とは?~

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

※本連載は桐生稔氏の著書『質問の一流、二流、三流』(明日香出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

質問の一流、二流、三流

質問の一流、二流、三流

桐生 稔

明日香出版

いま、一流のコンサルタント、コーチ、カウンセラー、会社のマネジメント層やスポーツチームの監督にいたるまでが、徹底的に質問スキルを学んでいます。 一流は、相手の心に響く「言葉」より、相手の心の琴線に触れる「質問」…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録