「掛け捨てではありません」の裏に隠された真実
(後田):まず、仮の話として、有司さんがこの終身保険に入ってすぐにお亡くなりになったとしましょう。まだ1ヵ月分の保険料(337.76ドル)しか払っていません。それでも15万ドルの死亡保険金が支払われるのは、左側の15万ドルから始まる「保障部分」があるからです。
(五十嵐有司):終身保険に入った直後は、右側の「積立部分」はゼロだけど、左側の「保障部分」は15万ドル分ある、と考えるのですね。
(後田):その通りです。なぜ、300ドルちょっとのお金しか払っていなくても15万ドルが支払われるかというと、無事に過ごしている人たちの保険料も保険金支払いに使われるからです。
(五十嵐有司):まあ、保険だから、そうでしょうね。
(後田):はい。そして、死亡保険金の支払いに使われたお金は、無事に過ごしている他の人たちに払い戻しされません。いわゆる「掛け捨て」になります。つまり「掛け捨てではありません」と案内されている終身保険にも「掛け捨て」部分があるわけです。美香さん、ここまでの説明は大丈夫ですか?
(五十嵐美香):はい、大丈夫です。
「解約返戻金」の大半は“自分で積み立てたお金”
(後田):一方で、終身保険には「保障部分」に加えて、右側の「積立部分」もあります。
保険会社からすると、一生涯の死亡保障がある終身保険では、いつか必ず保険金支払いが発生するわけです。ですから、将来、確実に15万ドル支払えるように積立部分にお金を貯めていく、と考えたら、わかりやすいかもしれません。
人が生涯で死亡する確率は100%です。なので、契約から間もない時期に死亡するケースには、掛け捨ての保障部分で保険金支払いに備えつつ、積立部分では、お客様一人ひとりから例外なく、死亡保険金に近い額のお金を集めておく、と見てもいいでしょう。
それで、解約したときに、払い戻しされる「解約返戻金」の大半は、この「積立部分」に貯まっているお金なんです。
つまり、終身保険には、掛け捨ての保険にはない積立部分があるので、解約返戻金もある。そのため、「掛け捨てではありません」と言われているわけです。ちなみに「養老保険」も、同じ仕組みです※。
※ 養老保険は、一定期間の死亡保障があり、満期に生存していた場合、死亡保険金額と同額の満期金が支払われる保険。終身保険と同様、外貨建ての商品が多く販売されている
(五十嵐有司):なるほど。お金が戻ってくるのは、自分でお金を積み立てているからなんですね。
(後田):おっしゃる通りです。
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