「保険で備える」のに向いている“3つの条件”
(後田):ここから、「保険で備えるのに向くこと」の条件が、見えてくると思います。私が考えるに、3つあります。
2.自己資金では対応できない大金が必要になること
3.いつ起こるかわからないこと
(後田):頻繁に起きることに保険で備えてしまうと、保険料が高くなります。だから、めったに起きないことに限定して使ったほうがいい。そして、保険はそもそも手数料などの諸費用が高くつく仕組みですから、自己資金で対応できるなら、自己資金で対応したほうがいいですし、いつ起きるかわかっていることなら、その時期を目標に自己資金を増やしていくほうが、保険を使うよりいいはずです。
そう考えると、老後の医療費の支払いは、頻繁に発生することなので、安い保険料で手厚い保障を得るのは難しい、と冷静になれるでしょう。しかも、医療費の場合、国の制度で自己負担には限度額がありますから、自己資金で対応しやすいはずです。いつお金が必要になるのかも、あらかじめ、見当はつきますよね。老後は、急に訪れるわけではないですから。
(五十嵐有司):そうですね。
(後田):この3点に照らすと、一般の人にとって、保険での備えが検討に値するのは、おそらく有司さんのように、子育て中の世帯主が、一定期間、利用する死亡保険くらいなんです。
(五十嵐有司):なるほど。この原則はわかりやすいですね。医療関連は、健康保険と自費で対応するのが、確かにいい気がしてきました。医療保険は解約しようと思います。
(後田):それがいいと思います。また、あくまで私見ですが、今後、老後の医療費負担などに関して、国の制度などが改定されるとしても、突然、大幅な変更・改悪はないだろうとも考えています。
(五十嵐美香):それはなぜでしょうか?
(後田):政治家などが言い出した場合、選挙で負ける、少なくとも大苦戦するだろうと思うんですよ。
(五十嵐有司):それはそうかもしれない。
後田 亨
オフィスバトン
「保険相談室」代表
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