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「生活保護受給中は自己破産できるのか」、「自己破産すると生活保護費に影響が出るのか」、「そもそも自己破産しても生活保護を受けることはできるのか」など…。本記事では、「生活保護」と「自己破産」に関する素朴な疑問について、東京司法書士会の寺島能史司法書士監修のもと詳しく解説します。

自己破産の手続きをする場合の流れ

最後に、一般的な自己破産手続きの流れについても見ていきましょう。

自己破産手続きの流れ

自己破産の手続きをする際、まずは債務整理に強い専門家へ相談して進めることをおすすめします。自己破産には上記で挙げた必要書類のほか、現在生活保護受給中の場合は、そのことを証明する書類も必要となります。

 

専門家へ自己破産を依頼すると、債権者には「受任通知」が送られ、借金の催促や督促などがすぐにストップします。その後、必要書類を揃えて専門家が裁判所へ申し立てを行い、裁判所から破産手続きの開始決定を受けると、破産手続きが開始されます。

 

自己破産は「管財事件」と「同時廃止」の2種類に大きく分けられますが、生活保護受給中の自己破産の場合、ギャンブルによる借金などでなければ、同時廃止となる可能性が高いでしょう。同時廃止の場合は管財事件より手続きが早く終わるケースが多く、免責が確定するまでにかかる期間はおよそ2~3ヵ月となります。

生活保護と迷ったら自己破産手続きを優先する

「自己破産と生活保護のどっちを先に手続きした方がよいかわからない」という場合は、自己破産手続きを優先するとよいでしょう。

 

自己破産の手続きを専門家へ依頼した場合、直後に頻繁にあった催促の連絡などが止まり、一括請求を迫られることなどもなくなるため、得られるメリットが大きくなります。どちらの申請を先にするかで迷ったら、自己破産を優先するようにしましょう。場合によっては自治体のケースワーカーから自己破産を先にするように指導を受ける可能性があります。

借金返済の悩みは1人で抱えず専門家へ相談を

借金の返済が苦しく、生活するのもやっとの状況であることを誰かに相談するのは勇気がいるかもしれませんが、専門家には正直に話しましょう。債務整理に強い専門家なら、借金に関する様々な事例を扱っているため、適切な解決方法を導き出してくれます。

早めに生活を立て直すには

自己破産した後に生活保護を受けることは可能で、生活保護受給中に自己破産することも可能です。生活保護受給中に選択できる債務整理は自己破産のみであり、生活保護を受けていることで裁判費用や弁護士費用の納付猶予、免除を受けられるメリットもあります。

 

自己破産を専門家へ依頼すると取り立てや催促の連絡が止まるため、生活保護と自己破産で迷ったら自己破産を優先するのがおすすめです。債務整理に強い専門家へ早めに相談して、生活を建て直しましょう。

 

 

東京司法書士会 司法書士

寺島 能史

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