(※画像はイメージです/PIXTA)

政府による少子化対策の一環として「児童手当の拡充」に伴う、高校生の「扶養控除縮小」が検討されていることが明らかとなりました。批判の声が多く集まっていますが、果たして…。

「次元の異なる少子化対策」で、発表された「扶養控除縮小」

少子化が喫緊の課題となっている昨今の日本。政府は「次元の異なる少子化対策」を掲げ、新たな方針を明らかにしています。

 

「次元の異なる少子化対策」の基本理念として、内閣府が明らかにしているのは以下の3つです。

 

①構造的賃上げ等と併せて経済的支援を充実させ、若い世代の所得を増やす

 

②社会全体の構造や意識を変える

 

③全てのこども・子育て世帯をライフステージに応じて切れ目なく支援する

 

直近では「児童手当の拡充」に伴う、「扶養控除縮小」の検討が大きな話題を呼ぶこととなりました。「児童手当」の支給を高校卒業まで延長することで、これまで高校生のいる世帯に適用されていた「扶養控除」の縮小が検討されているのです。

 

児童手当の支給は月1万円/年12万円。扶養控除の枠がなくなることで増える税額が12万円を超える世帯も存在するため、「増税だ」「まったく少子化対策になっていない」と多くの批判が集まりました。

 

そこで政府は「年収によっては児童手当を支給されても税負担が上回るケース」を考慮した上で扶養控除を縮小する、との方針を明らかにしました。これが正確に適用されれば、今までと比べて「損する」ことはなさそうです。

 

とはいえ、損をしないだけ。大した負担軽減にならないのであれば「次元の異なる少子化対策」と呼ぶには足りず、その点にも批判が集まっています。

「高校無償化でなくなる」世帯の存在

さらには「扶養控除縮小」により「高校無償化」の恩恵を失う世帯も存在します。高校無償化には所得制限があり、住民税の納税額にその算定基準が置かれています。納税額が増えることで所得制限にギリギリ触れてしまう世帯が誕生するのです。

 

「高等学校等就学支援金制度」の所得要件計算式は以下のとおり。

 

【保護者の課税標準額(課税所得額)×6% - 市町村民税の調整控除の額】

 

所得制限は家族構成や収入などにより変わりますが、文部科学省では910万円未満が年収の目安としています。

 

ちょうど当てはまる世帯にとっては、「これまでと変わらない」どころかれっきとした負担増となってしまうのです。この事態を受け、扶養控除縮小に反対する署名活動もおこなわれる事態となっています。

 

政府による少子化対策には、期待できるのか? 今後の発表にも注目が集まります。

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