(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、マネックス証券株式会社が2023年11月10日に公開したレポートを転載したものです。

本記事のポイント

・日本の企業決算は最高益更新ペース

・予想EPSの上方修正で日経平均3万4,000円は射程範囲

・40年周期なら上昇基調は続く

日本の企業決算は最高益更新ペース

高校生の娘と一緒に電車に乗って新聞を広げると、「パパ、恥ずかしいからやめてよ!」と怒られる。「新聞を読むのが、なぜ恥ずかしいのか」と問うと、「いまどき紙の新聞なんて読んでいるのはパパだけだよ」という。

 

車内を見渡すと、確かに紙の新聞を読んでいるのは僕だけで、ごく少数の人が本を読んでいるほかは、残りのほぼ全員がスマホに目を落としている。僕はWプランなので電子版ももちろん利用しているが、紙には紙のよさがある。

 

今週月曜日の朝刊1面トップは――こういう表現は紙の新聞でしかできない――上場企業の決算に関する記事だった。4~9月期決算を集計したところ、純利益が前年同期と比べ3割増と最高益を更新するペースだという。2024年3月期通期の予想も13%増益と増益率が拡大している。実際、これだけ株価が上昇しても日経平均のPERは15倍に届いていない。予想EPSが上方修正されたからだ。

 

出所:筆者作成
[図表1]日経平均の予想EPS 出所:筆者作成

予想EPSの上方修正で日経平均3万4,000円は射程範囲

日経新聞による日経平均の予想EPSは2,211円にまで高まってきている。僕は年末の日経平均を3万4,000円と予想しているが(従来の3万6,000円から下方修正)、このEPSのもとではPERが15.4倍になれば届く。じゅうぶん射程距離だ。

 

決算発表は今日で佳境を迎えるが、まだ来週も相当数の決算発表が残る。最終的にあと2.5%、EPSが増加して2,266円になれば、PERは15倍ちょうどで3万4,000円だ。自然体で達成可能である。

 

さて、今週月曜日の朝刊の1面の上――NEWS&VIEWSというインデックスで紙面の主な内容を知らせるところに、「阪神、悲願の日本一関西対決制し38年ぶり」という見出しを見た。1面の斜め下に目をやると「春秋」のコラム。こちらもタイガースの日本シリーズ優勝について書いていた。こういう記事の読み方は紙面ならではだ。電子版ではこうはいかない。

 

「春秋」は阪神が前回日本一になった1985年の世相に触れ、そこから日本の国運40年周期説を紹介する。明治維新から日露戦争までの40年が上り坂。そこをピークに太平洋戦争敗戦までの40年が下り坂。そこから戦後の復興を辿り高度成長期を経て40年後の1985年が最後のピークだ。1985年はプラザ合意のあった年。同時に日本経済がバブルの絶頂に向かう時期でもあり、そこをピークに日本は下り坂を転がり落ちてきた。

 

しかし、約40年ぶりのタイガース日本一の今年、日本では物価が上がり、金利も上がった。転機なのかもしれぬ、というわけだ。40年周期説に立てば、下り坂のボトムは2025年である。そこから再び坂を登れるだろうか。

 

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