(※写真はイメージです/PIXTA)

徐々に認知度が高まってきた年金の「繰下げ受給制度」。本来の受給開始年齢である65歳より受給開始を遅らせることで年金受給額を増やすことができるというものですが、「ある条件」に当てはまる人には注意が必要だと、株式会社よこはまライフプランニングの代表取締役、井内義典CFPはいいます。自らの“思い込み”から年金をもらい忘れたAさんの事例を交えて「年金繰下げ受給制度」の注意点をみていきましょう。

思い込みはキケン…“覆せぬ後悔”をしないために

年金事務所によると、Aさんの場合、在職中でもカットされない特老厚は48ヵ月分で合計約200万円あったそうです。

 

Aさんは、66歳になる頃までに特老厚の手続きをしていた場合、5年の時効にかかわらず、48ヵ月分(200万円)すべてをさかのぼって受け取ることも可能でした。しかし、Aさんはその200万円を受け取る権利を失う形になったのです。やらかした……Aさんは肩を落として年金事務所を後にしました。

 

Aさんは思い込みによって「本来受け取れるはずの年金」を受け取ることができませんでした。実は、Aさんのようなケースは少なくありません。年金が「いつから・いくら」受け取れるのかは、支給開始年齢や年金加入記録、働き方によっても異なりますし、家族構成によっては年金に加算がある場合もあります。

 

したがって、60歳を迎える前からご自身の記録を確認し、年金制度について不明な点は年金事務所等で相談して備えることをおすすめします。必要な手続きは、必要な時期に確実に進めていくことが大切です。

 

 

井内 義典

株式会社よこはまライフプランニング代表取締役

特定社会保険労務士/CFPⓇ認定者

 

 

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※プライバシー保護の観点から、実際の相談者および相談内容を一部変更しています。
<参考>
・厚生労働省「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
(https://www.mhlw.go.jp/content/001027360.pdf)

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