新人弁護士を待ち受ける「将来」
では、今後、弁護士にはどのような将来が待ち受けているでしょうか。
ここで、日弁連「弁護士白書」(2021年)のシミュレーションのデータを紹介します。2023年以降の司法試験合格者数を毎年1,500人として試算したものです([図表5]参照)。
弁護士の人口は、2023年の4万5,015人から、2034年には5万5,594人、2044年には6万2,937人と増えていき、2049年頃にピークに達し、2059年以降は5万7,000人台で推移する見通しです。
他方で、弁護士1人あたりの国民数をみると、2023年の2,749人から、2034年には2,087人、2044年には1,705人と減っていき、2048年以降は1,600人程度で推移する試算になっています。弁護士数が増加する一方で人口が減少するということは、弁護士1人あたりが受件する事件数も減るということです。また、現時点で、事件数が著しく増加する見通しはありません。
そもそも、司法試験合格者を増やして弁護士を増やすということは、司法制度改革の一環として、企図して行われてきたはずのものです。司法制度改革の理念は、あらゆる面で国民のための法的サービスを拡充することでした。そのなかで、従来よりも多くの人が弁護士を活用できるようにすることが想定されていました。
しかし、現状は道半ばです。たとえば、不法行為の被害者が、時間やお金がかかることを理由に裁判を諦めて泣き寝入りせざるをえないケースや、子どもの養育費の取り決めが守られず養育費を受け取れないケース等があります。いずれも、国のサポート等を得て、司法の力で、以前よりも有効に権利を実現できる可能性があるものです。
権利救済を必要としている人が、弁護士の助力を得やすくなるよう、国には、司法サービスのさらなる拡充と啓発が求められているといえます。
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