投資用物件の「利回り」の計算方法
家賃収入などの投資目的として不動産を買う場合、利回りや物件価格がポイントになります。住宅への不動産投資の場合、5~7%程度が利回りの目標ともいわれます。時期や場所によりさまざまですが、目安として抑えておきましょう。
利回りには、表面利回りと純利回りがあります。表面利回りは家賃収入を物件価格で割り、100を掛けた数字です。たとえば、家賃収入が毎月10万円入れば、12か月で120万円になります。物件価格が1,000万円であれば、
になります。物件を売る不動産会社は、この計算で利回り12%として目を引くような広告を出すでしょう。
ただ実際は、家賃収入がそのまま収益になるわけではなく費用が発生するため、この利回りは大きく盛った数字となります。費用とは、不動産の税金や維持費です。よって、費用を差し引いた、正確性を兼ねた利回りが純利回りです。
上の例でいえば、10万円の家賃収入から毎月1万円の費用が発生すると、毎月9万円の収入となり、9万円×12か月で年間108万円となります。よって計算式は、
となり、利回りは10.8%。費用も引いた利回りが純利回りとなります。
不動産投資成功の鉄則「レバレッジ」とは?
不動産は買い付けるときに、借入を行うことも可能で、借入を併用して、さらに利回り向上を追求できるのです。借入を伴い購入することをレバレッジといいます。
1,000万円の物件を購入するとき、500万円借り入れした場合は、手出しが500万円となり、500万円に対しての利回り計算となります。購入資金の半分を借り入れ、レバレッジ2倍とすれば、利回りもおよそ2倍です。
たとえば、500万円を利息1%で借り入れ可能であった場合、毎年5万円の利息を差し引いて収益を考えます。年間収益が108万円であれば、借入利息5万円を差し引き103万円。500万円の投資で、年間103万円が利益です。よって、103万円÷500万円×100で20.6%の利回りとなりますね。
レバレッジを使わなければ利回りは10.8%ですが、レバレッジを使えば20.6%にもなるのです。これにはもちろんリスクもあり、売却時に物件価格が下落した場合などは、利回りが下がります。借入利息など低い時期に、レバレッジを使うと効果的でしょう。このようにして、不動産投資は利回りを考え、投資すべき物件かどうかを精査するのです。
上記は一例であって、不動産の売却までを考慮すると、幅広い知識が要求されます。不動産投資の長所としては、家賃収入が魅力、節税が可能、ローンを組むことが可能、住宅に詳しくなるなどです。短所としては、管理が必要、維持費が必要、税金が必要、売買が手間、流動性がなく売却がスムーズとはいえない、高額などがあります。
このような短所を抑え、手軽に不動産投資を行える不動産投資信託もあります。不動産投資信託はREIT(リート)ともいわれ、複数の不動産にファンドマネージャーが投資をして、家賃収入や売却益を分配金として投資家に還元する仕組みです。投資信託は上場しており、小口でいつでも売買可能です。不動産投資初心者には向いています。
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