ついに「天職」をみつけた乱歩だが…やっぱり逃げる
3、4ヵ月の失業期間中、家族ごと大阪の父のところに身を寄せた乱歩。あまりに暇で、書きはじめたのが探偵小説だったという。
ところが、このわずか2週間で書き上げた小説『二銭銅貨』が乱歩の運命を変える。
雑誌に投稿したところ、すぐに掲載が決定。29歳で乱歩は、小説家として新たなスタートを切ることになった。
性に合ったのだろう。これまでと違い、小説家の仕事だけは続けることができた。
「小説家になって、やっと朝起きなくてもよくなり、毎日きまりきった勤めをしなくてすむことになったので、やっと助かったのである」
それでも乱歩は、たびたび休筆宣言をして何も書かない期間を作った。休筆期間を合計すると、なんと17年間にも及んでいる。
読者としても書き手としても、「現実逃避の文学を愛した」と述懐する乱歩。架空幻想のリアルを追求し、たとえ好きなことでも「がんばらない」を貫いたのである。
真山 知幸
著述家、偉人研究家
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