フィリピン「自動車生産・販売」ASEAN諸国の中でも際立つ好調ぶり

11月6日週「最新・フィリピン」ニュース

フィリピン「自動車生産・販売」ASEAN諸国の中でも際立つ好調ぶり
写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が、フィリピンの現況を解説するフィリピンレポート。今週は景気動向を見るうえで重要な指標となる「自動車生産と自動車販売」を中心にみていきます。

フィリピン「自動車生産」前年比33%増(2023年1~9月)

2023年9月、フィリピンの「自動車生産」は前年比23%増加し、ASEAN6ヵ国の中で2番目に高い伸び率でした。

 

ASEAN自動車連合(AAF)のデータによれば、フィリピンの9月「自動車生産」は1万0,822台で、1年前の8,800台から23%増加しました。生産台数は少ないですが、伸び率はミャンマーがASEANで最高で、9台から206台に23倍増加しています。一方、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナムは9月に自動車生産が減少しました。マレーシアの生産は6万9,133台で0.4%減、タイの生産16万4,093台で8.4%減、インドネシアの自動車生産は11万0,401台で23.8%減、ベトナムの生産は1万4,596台で24%減となりました。

 

また、1月から9月までの累計では、フィリピンでは、自動車生産が前年比33.3%増、台数としては8万4,929台に増加しました。マレーシアとタイは、それぞれ11.3%、1.6%増加しています。一方、インドネシア(0.4%)、ベトナム(28.7%)、ミャンマー(73.8%)は9ヵ月間で生産が減少しています。

 

一方、フィリピンの「自動車販売」は9月に9.5%増加し、3万8,628台に達しました。9ヵ月間では26.9%増加しています。1月から9月までの期間においてASEAN諸国で自動車販売が増加したのは、フィリピンとマレーシア(11.1%)。一方、ミャンマー(▲64.1%)、ベトナム(▲29.2%)、シンガポール(▲16.3%)、タイ(▲7.4%)、インドネシア(▲0.4%)では販売が減少しています。

 

また、フィリピンはASEAN諸国の中で2023年9月に「オートバイとスクーターの生産」が最も急成長しました。フィリピンのオートバイとスクーターの生産は前年比4.6%増の9万2,861台に増加。2023年の9ヵ月間累計では、フィリピンの生産は前年比34.6%増の94万2,255台に達しています。

 

インドネシアとタイでは9ヵ月間でオートバイとスクーターの生産がそれぞれ23.2%と11.1%増加するも、マレーシアとベトナムではそれぞれ12%と15.5%減少しています。9ヵ月累計では、ASEAN地域全体で1,014万台のオートバイとスクーターが生産され、前年の同じ期間に比べて10.4%増加しました。

 

一方、フィリピンでの「オートバイとスクーターの販売」は9月に13.6%減の12万1,574台。9ヵ月間では、販売が前年比0.3%減の116万5,000台から116万8,000台になりました。インドネシアとタイだけが1月から9月までの期間において販売が増加し、それぞれ30.7%と6.1%増加となっています。

 

年間の販売が減少した国はシンガポール(2.4%)、ベトナム(14%)、マレーシア(14.4%)です。1月から9月までの期間に、ASEAN諸国全体で983万台のオートバイとスクーターが販売され、前年の同じ期間に比べて9.2%増加しています。

次ページ「デジタル支払い」急成長で「銀行口座保有率」も急増

※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録