孫を溺愛していた祖父急逝…
43歳になるAさんは大学生のときに地方から東京の大学に入学してから、就職も東京でしたために結婚後も地方にいる両親と離れて暮らしていました。
子供が生まれてからはお盆とお正月、GWなど長期休みのときに帰省するくらいで、日ごろは会うことができないのですが、年に数回、孫に会えることを両親は大変楽しみにしていました。
Aさんの子供は祖父母にとって初孫ということもあり、たいそう可愛がり、会ったときには孫が欲しがるものを必ず買ってやります。Aさんは少々甘やかしすぎる両親に苦言を呈することもあったのですが、孫の成長をなによりの楽しみに過ごすその姿を見ると、「たまにしか会えないし」と目を瞑ることにしました。
Aさんも働き盛りでなかなか長期休みは取れなかったのですが、上の子供が中学校、下の子供が小学校を卒業する思い出に親孝行がしたいと思い、三世代でのんびり旅行にでも行こうと思っていた矢先でした……。
Aさんの父親が心不全で他界してしまいます。あまりにも急な出来事でした。突然のことで、家族もうろたえます。Aさんもはじめは取り乱していましたが、しっかりしなければと自分を奮い立たせ、知り合いの税理士に相続税の申告について相談します。そして、辛い気持ちを抱えながらも、どうにか手続きを済ませることができました。
2年後の税務調査でペナルティを課される
それから2年後、突然、税務調査の連絡が税務署から来ました。Aさんは特に思い当たることがないので、なにもないだろうと当日を迎えます。
税務調査官の話によると、祖父がコツコツためていた孫2人の名義の通帳があることが判明し、名義預金として追徴課税されてしまうとのことです。Aさんの父親は可愛い孫のために、毎月コツコツと貯金をしてくれていたのでした。貯金が始まったのは中学校を卒業するAさんの上の子供である初孫が生まれた翌月からでした。
将来のことをいろいろ考えて、可愛い孫のために……と考えてのことだったのでしょう。15年間、孫1人につき生前贈与の非課税枠110万円以内で毎年コツコツ貯めてくれていたその金額は約2,800万円になっていました。これが「名義預金」とみなされたことで追徴課税は約350万円となりました。
どうしてこのようなことが起きるのでしょうか。
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