かかる費用やサービスもさまざま…「高齢者向け施設」の特徴
施設といっても、高齢者向けの住まいにはさまざまな種類があります。筆者はまず、どのような選択肢があるのかについて説明を行いました。主だったものは、下記の7種類です。
1.シニア向け分譲マンション
高齢者の生活に特化した分譲マンションです。部屋を購入することで資産になるため、相続も可能です。自宅と同じくらい普段の生活における自由度が高いのが特徴です。ただし、もし介護が必要となった際には、外部の事業者を利用します。
2.サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
バリアフリーが完備されており、浴室やトイレ、キッチンなども備えつけられている賃貸住宅です。安否確認や生活相談サービスがついているため、安心して生活することができます。オプションとして食事や家事援助などのサービスが受けられる施設もあります。
3.住宅型有料老人ホーム
自立者から要介護者まで、幅広い高齢者を対象としている施設です。食事や日常生活の支援を受けることができるほか、施設内はバリアフリーになっています。ただし、介護サービスが必要となった場合には外部事業者と契約する必要があります(とはいえ、訪問介護事業所などが併設されているところもあります)。
また、施設によっては要介護度が重くなると退去しなければならないため、入居前にサービス内容をよく確認しておく必要があります。
4.介護付有料老人ホーム
食事や介護など、日常生活の支援が受けられる施設です。3つ目の「住宅型」との違いは、「特定施設」の認可を受けており、介護スタッフが24時間体制で常駐している点です。
重度の要介護者も受け入れ可能で、万が一の際は看取りにも対応しているため、安心して過ごすことができます。また、要介護認定を受けていない人でも入居可能な施設もあります。
5.シルバーハウジング
バリアフリー仕様の公的賃貸住宅です。所得に応じて利用料が設定されているため、一般的な賃貸よりも安価で利用できます。ただし、特別な医療ケアや介護サービスが受けられるわけではありません。
6.特別養護老人ホーム
要介護3以上の介護認定を受けている65歳以上の高齢者が入居できます。24時間体制でスタッフが常駐しており、看取りにも対応しています。
高額な入居一時金は不要で、月額利用料は所得に応じた金額となっています。従来型は4人部屋などの相部屋となりますが、新しい施設になると個室のところもあります。生活全般の介護サービスが提供され、費用負担は軽いものの入居申し込みが多く、待機期間が数年必要となるケースもあります。
7.介護老人保健施設
リハビリを中心に、介護と医療的ケアを受けながら自宅への復帰を目指す施設です。入所できる期間は3~6ヵ月と短く、終身利用はできません。特別養護老人ホームへの入居待ちの際に利用されることもあります。