購入前に要チェック!買うと損する「やばい立地」の見極め方
注文住宅を購入する際、土地の状態をチェックすることも忘れてはいけません。地震や想定外の雨量などによって地すべり、液状化が起こる可能性のある土地を購入して、家屋が倒壊してから後悔しても遅いのです。土地を選ぶ際、知っておいてほしいことがあります。
こんな土地は「地盤沈下」や「液状化」に見舞われる可能性あり
昨今の自然災害を思い起こすと、地盤が軟弱だったために大きな被害に見舞われた例も少なくありません。立地環境として、土地の確認も大切です。強い地震が起こったとき、地盤沈下や液状化に見舞われる可能性があるからです。
■地名に「池」「沼」「川」などが入る
沼や池、河川を埋め立てた土地は、泥や水分を多く含んでいる「軟弱地盤」かもしれません。地名がその土地の特徴を表わしていることもあるので、「池」や「沼」、「川」などの漢字が使われているところは軟弱地盤の可能性を疑ってみる必要があります。
たとえば、江戸時代の古地図と現在のものを比較したとき、以前は池や沼だったところを埋め立てた土地は、現在、池や沼がなくても住所に「池」や「沼」などの漢字が使われている場合もあります。古地図などで確認してみましょう。
■盛土(もりど)を行なった場合
また、傾斜地に土を盛って平坦にする「盛土(もりど)」を行なった場合も軟弱地盤の可能性があります。2021年に熱海で起きた土石流災害のおもな原因は盛土であるといわれています。記録的な大雨が降ったことも原因のひとつですが、「盛土」がしっかりと基準どおりに行なわれていれば、避けられた災害かもしれないともいわれました。
熱海の災害は極端な例になりますが、いつ、どのようなことがきっかけで軟弱地盤が原因となる災害が起こるかはわかりません。
全国の自治体で公表されている「大規模盛土造成地マップ」を確認してみるのもよいでしょう。マイホームのある地域が範囲内であっても、すぐに危険にさらされるわけではありませんが、気になることがあったときに軟弱地盤の影響を疑ってみる材料にはなると思います。
■現地周辺の建物に「傾き」や「ヒビ」、マンホールが盛り上がって見えるなども要注意
実際に、現地周辺を何度か歩いてみるのも有効な方法です。複数の建物の外壁や基礎にヒビ割れがあったり、ブロック塀や擁壁(ようへき)に傾きやヒビ割れが目立っていたり、電柱が傾いたりしている場合には軟弱地盤が疑われます。
また、近隣の住宅の外壁にヒビが入っていたり、道路のマンホールが盛り上がって見えたりしたら要注意です。どちらも地盤沈下の可能性が考えられます。
建築前に「地盤改良」を施せば安全性は上がる
建築前には必ず地盤調査を行ないます。地盤調査の結果、軟弱地盤であることがわかった場合、建築前に地盤改良を行なうことになります。
地盤改良には、3種類の工法があります。
●表層改良〔ひょうそうかいりょう〕(目安1万〜2万円/坪)
⇒軟弱地盤が地表から2m程度まで。セメント系固化材を土に混ぜて軟弱地盤を強化します。
●柱状改良〔ちゅうじょうかいりょう〕(目安2万〜3万円/坪)
⇒軟弱地盤が2m以上8m程度まで。土の中にコンクリートの柱を造って地盤を安定させます。
●鋼管杭〔こうかんくい〕(目安4万〜6万円/坪)
⇒深度30m程度まで有効。深い位置にある固い地盤に杭を挿して基礎を支えます。
地盤調査は建築を依頼する施工会社が決まってから行います。
地盤調査の結果、固くてしっかりしていれば、そのまま基礎工事に入ります。地盤改良が必要になったら、そのぶんの費用が建築費に加算されることになるので、当初の予算をオーバーしてしまいます。予算を削減しなければならない場合は、ここで施工会社と相談しましょう。
■「安い土地」と思いきや、地盤改良工事が必要⇒最終的には高くつく…というケースも
土地を購入する際はなるべく地盤が硬質であること、可能であれば高台であることがよいとされています。地盤が軟弱である可能性があることから安く販売されている土地もありますが、地盤改良工事の費用が高額になって、最終的に高い買い物をしてしまったということにならないよう、できるだけ地盤が硬質である可能性の高い土地を選ぶことをおすすめします。
YouTube不動産 印南和行
株式会社南勝代表、一級建築士
住宅専門チャンネル「YouTube不動産」運営者
全国不動産売却安心取引協会理事長、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)。1972年、東京都生まれ。建築の専門学校を卒業後、建設会社で現場監督経験を積み、2011年に株式会社南勝を設立。これまでに1000件以上の住宅のインスペクション(建物診断)を行なうほか、不動産会社向けのコンサルティングを手がける。
「後悔のない家づくりをしてほしい」という思いから、2020年9月に立ち上げた住宅専門チャンネル「YouTube不動産」が「わかりやすくて参考になる」と大好評で、チャンネル登録者数9.91万人、総視聴回数3400万回を超える(2023年10月時点)。著書に『プロが教える 資産価値を上げる住まいのメンテナンス』(週刊住宅新聞社)がある。
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