(※写真はイメージです/PIXTA)

リタイア後の生活を経済面で支える基礎となるのが「公的年金」です。65歳から受給できるのが基本ですが、実は、サラリーマンの場合、65歳未満でも、本来の年金とは別に、申請することで受け取れる「特別の年金」の制度があります。本記事ではその制度「特別支給の老齢厚生年金」について解説します。

働きながら受給すると「減額」されることも

働きながら特別支給の老齢厚生年金を受給する場合、年金額が減額されることがあるので、注意が必要です。

以下の計算式で算出された金額が47万円を超えたら、超過額の2分の1が年金額から減額されます。

 

基本月額 + 総報酬月額相当額

 

「総報酬月額相当額」は直近12ヵ月のボーナスを含む給与の平均月額です。

特別支給の老齢厚生年金を受給するための手続き

特別支給の老齢厚生年金は、受給開始年齢になる3カ月前に、日本年金機構から、基礎年金番号、氏名、生年月日、性別、住所、年金加入記録が印字された「年金請求書」と請求手続きの案内が送付されます。

 

3ヵ月後、受給開始年齢に達するのを待って、「年金請求書」を以下の必要書類と一緒に提出します。

 

【すべての人に必要な書類】

・戸籍謄本、戸籍抄本、戸籍の記載事項証明、住民票、住民票の記載事項証明書のいずれか

・受取先金融機関の通帳またはキャッシュカード(本人名義)のコピー

 

【厚生年金に20年以上加入し、かつ配偶者または18歳未満の子がいる人に必要な書類】

・戸籍謄本(記載事項証明書)

・世帯全員の住民票の写し(マイナンバーを記入すれば不要)

・配偶者の収入が確認できる書類(マイナンバーを記入すれば不要)

・子の収入が確認できる書類(マイナンバーを記入すれば不要)

 

「もらい忘れ」も過去5年分までなら請求できる

もし、受給手続きを忘れてしまっていたとしても、5年前までなら遡って請求できます。この5年というのは、年金を受給する権利の消滅時効期間です。

 

特別支給の老齢厚生年金を受け取るには、手続きをしなければなりません。年金請求書を紛失してしまったという場合でも、再発行はしてもらえませんが、書式は日本年金機構のHPからダウンロードできます。あるいは、ねんきんダイヤルに電話して送付してもらうか、もよりの年金事務所等で入手することもできます。

 

もし、まだ受給手続きをしていない、あるいは、もらい忘れたというのであれば、できるだけ早く受給手続きをすることをおすすめします。

 

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和泉 昭子

KADOKAWA

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