もううじき訪れる「高齢者の5人に1人が認知症」という社会
太陽生命保険が2021年に行った調査によると、すでにかかっている病気を含め、最もなりたくない病気の第1位は「認知症」で、42.6%だった。2位である「がん」の28.7%との差を考えると、認知症になることを嫌がる人のほうが圧倒的に多いといえる。
また内閣府が2019年に行った『認知症に関する世論調査』によると、
認知症になった場合に不安を感じるところとして「家族に身体的・精神的負担をかけるのではないか」を挙げた者の割合が73.5%と最も高く、以下、「家族以外の周りの人に迷惑をかけてしまうのではないか」(61.9%)、「家族や大切な思い出を忘れてしまうのではないか」(57.0%)、「買い物や料理、車の運転など、これまでできていたことができなくなってしまうのではないか」(56.4%)などの順になっている(複数回答)。
また、大都市のほうで「家族以外の周りの人に迷惑をかけてしまうのではないか」を挙げた割合が高かった。また年齢別では、18~29歳から40歳代の人が「家族や大切な思い出を忘れてしまうのではないか」を挙げた割合が高かった一方で、50歳代では「買い物や料理、車の運転など、これまでできていたことができなくなってしまうのではないか」を挙げた人が多かった。
『日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究』」(平成26年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業九州大学二宮教授)によると、2025年、認知症患者は675万~730万人、有病率は20.2~22.5%と、高齢者の5人に1人は認知症という水準となり、さらに2040年には、認知症患者は802万~953万人、有病率は20.7~24.6%になると推測されている。
息子と認知症母の組み合わせは「かなり心配」
「認知症」とは、脳の細胞がいろいろな原因で死ぬ、あるいは働きが悪くなることでさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態(およそ6ヵ月以上継続)を指す。認知症にはいくつかの種類があるが、そのうちおよそ7割が「アルツハイマー型認知症」だ。早くから賞状として出現するのが「記憶障害」、そして現在の年月や時刻、自分がどこにいるかなど基本的な状況を把握することができなくなる「見当識障害」である。昔のことはよく覚えているが、最近のことを忘れやすくなるというのが特徴だ(以上、厚生労働省ホームページより)。
近年、不安視されているのが、認知症を発症した高齢の親と、独身のまま中年となった子の組み合わせだ。
なかでも、母親と独身サラリーマン男性という組み合わせの場合はとくに心配だ。もちろんすべての人には該当しないが、日本の男性の場合、身の回りのほとんどの世話を身近な女性に丸投げしている人は珍しくない。
食事から洗濯から、すべて世話を焼いてくれていた母親の看護を、仕事一辺倒で家事もまともにしたことがない息子が行うことになるという、きわめてストレスの高い「逆転現象」が起こってしまう。
ご飯を作ってもらっていた息子が、今度は母親の食事の世話をすることになる。現状を受け入れて腹をくくるまでは「オレの食事はどうなるのか?」と、うろたえてしまう人もいるだろう。日本はさまざまな制度が整っているが、そこを頼るにしても、仕事の合間をぬって自ら動かなければならないという大変さもある。
親が認知症を発症する年齢の場合、子世代は50代であることが多い。厚生労働省の調査によると、サラリーマンなら平均給与は月収で41.6万円、年収で674万円。まさに資産形成にラストスパートをかけるタイミングなのだが、最悪の場合、そのチャンスを失したまま、介護離職となってしまう可能性もある。
厚生労働省『雇用動向調査』によると、1年間に約9.5万人が介護離職しているが、そのうち男性では50代後半の介護離職が最多だ。日本では今後も未婚率が上昇すると考えられ、「認知症の親と介護離職する息子」というケースも増えていくのではないか。
高齢化社会において、認知症は決して他人事ではない。「もしも認知症になったら、どうするべきか」というシミュレーションを、早い段階から行っておくことが重要ではないだろうか。
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