(※画像はイメージです/PIXTA)

国税庁は10月20日、2022年度のオンライン(e-Tax)手続の利用状況等を公表しました。それによると、税務署や金融機関の窓口に出向く必要のない「キャッシュレス納付」を利用している人の割合は35.9%でした。キャッシュレス納付は、申告手続との併用により、手続きの省力化とコスト削減につながる便利な方法です。税理士の黒瀧泰介氏(税理士法人グランサーズ共同代表)が解説します。

まだまだ利用率が低い「キャッシュレス納付」

国税庁によれば、「主要手続」のうち、オンラインで行っている人の割合は、「法人税申告」が91.1%(前年対比+3.2%)、「所得税申告」が65.7%(同+6.5%)、「所得税申告(法人)」が90.3%(同+1.6%)、「消費税申告(個人)」が69.9%(同+1.5%)です。

 

他方で、利用率が低いのは「相続税申告」が29.5%(前年対比+6.1%)、「国税納付手続」が35.9%(同+3.7%)、「納税証明書の交付請求」(同+6.5%)となっています([図表1]参照)。

 

出典:国税庁「令和4年度におけるオンライン(e-Tax)⼿続の利⽤状況等について」
[図表1]納付⼿段別納付件数 出典:国税庁「令和4年度におけるオンライン(e-Tax)⼿続の利⽤状況等について」

 

このうち、「国税納付手続」は、納税申告手続と一体となるものであるにもかかわらず、オンラインではなく金融機関・税務署の窓口やコンビニエンスストアでの現金納付のほうがまだまだ多いという実態があります。

 

キャッシュレス納付は、わざわざ税務署や金融機関の窓口に出向かなくてもよく、e-Taxによる申告とセットで行うことにより納税手続きにかかる手間が大幅に節約できる方法なので、積極的な活用が推奨されます。キャッシュレスで納税する方法は以下の通りです。

 

【キャッシュレス納付の種類】

・振替納税

・ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)

・インターネットバンキングによる納付

・クレジットカード納付

・スマホアプリ納付

 

以下、それぞれについて説明します。

 

振替納税

振替納税は、所得税(申告所得税・復興所得税)、消費税(消費税・地方消費税)について、国税庁が指定した日に、自分名義の金融機関の口座からの引き落としにより納付する手続です([図表2]参照)。

 

[図表2]振替納税のイメージ

 

振替日は納期限の1ヵ月ほど後なので、資金繰りに余裕ができるといわれています。ちなみに、2023年分確定申告の法定納期限は2024年3月15日(金)、振替日は2024年4月23日(火)です。

 

振替依頼書(預貯金口座振替依頼書 兼 納付書送付依頼書)に口座番号を記入し、口座届出印を押印して、金融機関または税務署に提出します。また、e-Taxを利用してオンラインでも提出することができます。

 

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