まだまだ利用率が低い「キャッシュレス納付」
国税庁によれば、「主要手続」のうち、オンラインで行っている人の割合は、「法人税申告」が91.1%(前年対比+3.2%)、「所得税申告」が65.7%(同+6.5%)、「所得税申告(法人)」が90.3%(同+1.6%)、「消費税申告(個人)」が69.9%(同+1.5%)です。
他方で、利用率が低いのは「相続税申告」が29.5%(前年対比+6.1%)、「国税納付手続」が35.9%(同+3.7%)、「納税証明書の交付請求」(同+6.5%)となっています([図表1]参照)。
このうち、「国税納付手続」は、納税申告手続と一体となるものであるにもかかわらず、オンラインではなく金融機関・税務署の窓口やコンビニエンスストアでの現金納付のほうがまだまだ多いという実態があります。
キャッシュレス納付は、わざわざ税務署や金融機関の窓口に出向かなくてもよく、e-Taxによる申告とセットで行うことにより納税手続きにかかる手間が大幅に節約できる方法なので、積極的な活用が推奨されます。キャッシュレスで納税する方法は以下の通りです。
【キャッシュレス納付の種類】
・振替納税
・ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)
・インターネットバンキングによる納付
・クレジットカード納付
・スマホアプリ納付
以下、それぞれについて説明します。
振替納税
振替納税は、所得税(申告所得税・復興所得税)、消費税(消費税・地方消費税)について、国税庁が指定した日に、自分名義の金融機関の口座からの引き落としにより納付する手続です([図表2]参照)。
振替日は納期限の1ヵ月ほど後なので、資金繰りに余裕ができるといわれています。ちなみに、2023年分確定申告の法定納期限は2024年3月15日(金)、振替日は2024年4月23日(火)です。
振替依頼書(預貯金口座振替依頼書 兼 納付書送付依頼書)に口座番号を記入し、口座届出印を押印して、金融機関または税務署に提出します。また、e-Taxを利用してオンラインでも提出することができます。