「最近の若者」は個性がない?
内閣府はこども・若者たちを取り巻く課題や制度に対する考えを調査した「こども・若者の意識と生活に関する調査(令和4年度)」を発表した。
15歳〜39歳対象調査では、「人生観・充実度」「人とのつながり」「他者とのかかわり方」「社会参加」「将来像」「普段の活動」「外出状況」「困難に直面した経験」「相談・支援」についてアンケート調査をおこなっている。
【「人生観・充実度」について】
人生観・充実度については「あなた自身について、次のことがどのくらいあてはまりますか」という質問が15項目ある。
特に興味深い結果となったのは「自分には自分らしさというものがあると思う」、「今の自分を変えたいと思う」という質問に「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」と回答した子供・若者の割合がそれぞれ84.1%と65.9%という点だ。
日本の教育は個性をなくすなどとさんざん言われているが、子供・若者たちは自分には個性があると考えているのだ。
また、84.4%の子供・若者が「今、自分は幸せだと思う」「どちらかといえば幸せだと思う」と回答している。子供・若者の多くが、自分には個性があって幸福な人生を送っていると考えているのだ。
【「困難に直面した経験」について】
困難に直面した経験の項目では、45.1%の子供・若者が「今までに、社会生活や日常生活を円滑に送ることができなかった経験」が「あった」「どちらかといえばあった」と回答している。
困難に直面した原因について、4つの切り口から質問されている。「自分自身について」では、「人づきあいが苦手」が47.7%、「何事も否定的に考えてしまう」が32.5%。つまり、調査対象の5人に1人以上が「人づきあいが苦手」と回答している。
「家族・家庭について」では「家族内の不和や離別(離婚)」が13.1%、「家庭が貧しい」が12.7%。「学校について」では、「いじめを受けた」が23.5%、「集団行動が苦手」が21.8%。「仕事・職場について」では、「上司や同僚との関係が悪い」が23.2%、「仕事の量や内容が自分の能力を超えている」が21.1%となった。
集団行動や集団生活になじめないことが問題になっているという回答が多い。多くの子供・若者が、自分に個性があると認識している一方で、その個性を社会で活かすことができていないことが問題になっている。