2.物価上昇品目の割合は9割に近づく
消費者物価指数の調査対象522品目(生鮮食品を除く)を前年に比べて上昇している品目と下落している品目に分けてみると、9月の上昇品目数は450品目(8月は444品目)、下落品目数は35品目(8月は41品目)となり、上昇品目数が前月から増加した。
上昇品目数の割合は86.2%(8月は85.1%)、下落品目数の割合は6.7%(8月は7.9%)、「上昇品目割合」-「下落品目割合」は79.5%(8月は77.2%)であった。
3.コアCPI上昇率は23年度末頃まで2%台の推移が続く見込み
ガソリン、灯油等に対する燃料油価格激変緩和措置の補助率は6月以降、段階的に引き下げられ、9月末には終了する予定となっていたが、円安、原油高の再進行を受けて、政府は同措置の延長を決定した。
ガソリン店頭価格は9/4には1リットル当たり186.5円(全国平均、レギュラー)と過去最高値を更新したが、補助率の見直しにより10/16には174.7円まで下落した。
また、23年2月から実施されている電気・都市ガス代の激変緩和措置は、10月(9月使用分)に値引き額が半減されることが決まっていたが、これも年末まで延長された。
足もとのガソリン店頭価格は、補助金がなければ1リットル当たり200円を超えており、円高、原油安が大きく進まない限り、年末でも政府が目標としている175円を大きく上回る。
また、補助額が一定となっている電気代、都市ガス代は、燃料価格の上昇を反映し今後は上昇することが見込まれる。年末までとなっている激変緩和措置は年明け以降も継続される公算が大きい。
エネルギー価格は、電気・都市ガス代の値引き額が半減される10月に下落率が縮小した後、24年1月まで下落率が拡大するが、2月には前年同月に開始された電気・都市ガス代の激変緩和措置による押し下げが一巡することから、下落率が大きく縮小することが見込まれる。
また、サービス価格は前年比2.0%と、23年のベースアップと同程度の伸びとなったが、長期にわたって価格が据え置かれてきたこともあり、上昇率がさらに高まる可能性が高い。
一方、足もとの物価上昇の中心となっている食料(生鮮食品を除く)は、価格転嫁の動きは続いているものの、前年の高い伸びの反動で上昇率の鈍化傾向が続くだろう。コアCPI上昇率は23年度末頃まで2%台で推移することが予想される。
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