同じ投資先でもリターンは“天地の差”…「定期預金か、銀行が発行する債券に投資するか」で分かれる明暗【ポートフォリオマネージャーが解説】

同じ投資先でもリターンは“天地の差”…「定期預金か、銀行が発行する債券に投資するか」で分かれる明暗【ポートフォリオマネージャーが解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

アメリカ10年国債利回りが4%を超えている中、債券投資は黄金時代を迎えています。長期的な投資戦略を考える上で、債券は依然として魅力的な運用手段です。これから始めても「黄金時代に乗り遅れる」ことはありません。債券とは何か、どのようなメリットやリスクがあるのか。また、債券投資をする上でのポイントについて、株式会社ウェルス・パートナー 藤村大星氏が解説します。

債券市場、「黄金時代」突入

現在、アメリカ10年国債利回りが4%を超えている状況が長続きしており、まさに債券黄金時代が到来しています。

 

黄金時代の到来によって、ドル建て債券投資に関心を持ち始めた方が多いと思いますが、債券は通常時はスポットライトが当たらない資産なのでよく分からない方も多いと思います。

 

今回は「債券の概要」、「メリット・リスク」、「銀行預金と銀行が発行する債券の違い」、「債券投資の際のポイント」の4つのテーマで書いていきます。

債券とは?

債券とは、企業や政府などが投資家から資金調達をするために発行する金融商品です。投資家は毎年決まった時期に利金(クーポン)を受け取ることができ、債券の満期が到来したときに投資元本が返ってきます。

 

債券投資は、安定した収益を得ることができる投資手段として富裕層にとても人気があり、退職金運用などのリスク(価格変動)を抑えながら守りの資産運用をしたい方におすすめです。

債券投資のメリット

【①安定した資産運用ができる】

債券は、保有中は利金を受け取りつつ満期が到来した際には、投資元本が返ってくるので、守りながら増やしていきたい方に向いています。

 

信用力の高い発行体を選んだ上で債券投資をすることができれば、元本を守りながら利息収入を得ることができます。

 

さらに債券投資は毎年決まったタイミングで利払いがされるので、退職後の生活資金の足しや旅行の資金に充当することも可能です。特に富裕層や退職金の安定運用など減らさずに安定的に資産運用をしたい方に向いています。

 

【②毎年決まったタイミングで利息が受け取れる】

利金をいつ受け取れるかは、決まっています。そして受け取る利息の使い道は自由です。生活資金や旅行資金にしてもいいですし、ドル建てETFへ再投資して更なるリターンを狙うことも可能です。

 

【③手間がかからない】

株式投資の際は毎日株価を確認する必要がありますが、債券投資はその必要はありません。一般的に債券投資は一度買ったら満期まで保有します。毎日価格を確認する必要もないため、日々忙しい会社経営者や日々の値動きに一喜一憂したくない富裕層などと相性が特にいいです。

債券投資のリスク

【❶発行体の信用リスク】

発行体の信用リスクが債券投資の一番大きなリスクです。債券の発行体が破綻した場合、投資元本は戻ってこないという前提で破綻しなそうな投資先を選びましょう。

 

【❷為替リスク】

このリスクは外貨建ての債券に投資するときのみ当てはまります。例えば米ドル建て債券であれば、米ドルで投資しますし、利金も基本的には米ドルになります。よってその時の為替次第で資産が大きく動くこともあるので注意が必要です。

投資先は同じでも「定期預金か、銀行が発行する債券か」で大差

現在の債券市場は16年ぶりの高金利で黄金時代を迎えています。

 

アメリカの国債に投資をしても、4%台後半の利回りで運用が可能です。

 

一方で日本の大手メガバンクの定期預金の利率は0.02%ほどです。

 

では、日本の大手メガバンクが発行するドル建て債券はどうでしょうか。驚くことに現在だと5%台の利回りで運用が可能です。通貨の違いもありますが、単純計算すると250倍の差があります。

 

投資先が同じでも投資商品が違うだけでここまでリターンが異なります。

債券投資のポイント

これからの債券投資において重要なポイントをいくつか紹介します。まだまだ続く可能性のある債券黄金時代を見逃さないために、以下のポイントを押さえておきましょう。

 

■ポイント1:債券格付けに注目

債券は第三者からの評価である「格付け」が付与されています。一般的に格付けが高いほど投資する際のリスク・リターンが低く、格付けが低いほどリスク・リターンが高くなります。債券投資のリスクを示す指標なので債券投資の際には必ず確認しましょう。

 

■ポイント2:分散投資をする

債券投資において分散投資はとても重要です。

 

例えば1億円の債券運用で1社の債券にのみ1億円投資し、投資先が破綻してしまったら1億円の損失になってしまいますが、10社に投資先を分散していれば、10社のうちの1社が破綻した場合で1,000万円の損失に抑えることが可能です。

 

分散投資をすることで投資先が破綻した際のリスクを下げられるので、債券投資の際は分散しましょう。分散の際には同じ発行体の債券に分散するのではなく、違う発行体の債券に分散させましょう。

 

■ポイント3:債券の期間も分散する

残念なことに債券は満期があるので同じ債券にずっと投資することはできません。債券が満期になって現金が返ってきた際には、債券投資を継続する場合は違う債券に再投資する必要があります。

 

しかし現在のような高い金利(いい条件)で、再投資できるかは分かりません。現在は利回り5%の社債がたくさんありますが、実は2年前のアメリカの10年国債利回りは1.5%前後で低く、2%台の社債が多かったです。

 

例えば低金利の際に債券が償還した場合はどうでしょうか。1つの債券に集中投資していた場合は低金利なので高い金利で再投資をしようとしてもできません。様々な期間に分散していた場合は、ポートフォリオの一部だけが償還したにすぎないので債券ポートフォリオを維持することが可能です。

 

このように期間を分散することによって、低金利の際に債券が償還した際の金利変動リスクを軽減することが可能です。

 

■ポイント4:期間が長い債券の比率を高める

現在は金利が高いので、期間が10年以上の長い債券の比率を高めにすることで、利回りを長期間固定できます。

 

もちろん全部長い債券というわけではありません。様々な期間に分散はしつつ期間が長い債券の比率を少し多めにするということです。期間が長い債券は保有している期間は発行体の信用リスクを負うことになり、短い債券よりもリスクが高いので注意が必要です。期間が長い債券に投資をする際は発行体選びを慎重に行う必要があります。

まとめ

アメリカ10年国債利回りが4%を超えている中で債券投資は黄金時代を迎えています。債券投資の際は本記事の「債券投資のポイント」を押さえつつ、債券投資を行いましょう。長期的な投資戦略を考える上で、債券は依然として魅力的な運用手段です。

 

 

藤村 大星

株式会社ウェルス・パートナー ポートフォリオマネージャー

 

三菱UFJモルガン・スタンレー証券に入社。会社経営者や医師等の富裕層への資産運用コンサルティング業務に従事。

2022年10月に株式会社ウェルス・パートナー及び株式会社ウェルス・ソリューションズに入社。資産1億円以上の富裕層向けに資産保全・管理、相続・事業承継対策等のアドバイスを行う。

 

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