第二子が誕生した場合も、同様の保険を検討するといいでしょう。今度は夫Bさんを契約者にします。男性と女性を比べると、男性は女性より平均寿命が短いため、死亡する可能性が少し高くなります。その分、保障額は同じでも、保険料は、男性のほうが高くなり解約返礼率が少しですが低くなります。
保険には予定利率というものがあります。予定利率とは、保険会社が契約者に約束する運用利回り(金利)のことですが、実際に契約者が受け取る利回りとは異なります。この予定利率が高いほど、貯蓄率が高くなるため、保険料は安くなる仕組みになっています。この予定利率は、10年物の国債の金利(長期金利)の影響を受けます。保険でもやはり金利が重要なのですね。
今は超低金利ですから、先に(第一子のときは)保険料の安い妻Cさんに加入していただき、次に(第二子のときは)夫Bさんが加入するほうが少しでもお得になると想定しました。現在のインフレ状況から、今後は金利が上がる可能性が高いので、第二子のときの保険料が安くなるかもしれないからです。
余談ですが、金利が高かったバブル期には、個人年金保険(自分で掛けて、老後に受け取る私的年金)の予定利率が5%後半から6%を超えるものも多く、受取総額が支払保険料総額の2倍になるような、今となってはお宝と言われる保険が存在しました。今の予定利率は0.3〜0.6%程度なので、さほどの魅力はありません。
保険契約をするということは、保険料であるお金を支払期間中は拘束されることになりますので、余裕資金か、死亡保障と貯蓄を同時効率的に考えたい方以外は、無理やり検討する必要はないことを言い添えておきます。
また、子どもができる時期にもよりますが、加入時の年齢が40歳以上になると死亡保険料が上がり、さらに解約返戻率が劣るため、保険での資産運用はあまりおすすめしません。
さらに、外貨建て保険は為替のリスクが伴いますので、資金が必要になったとき、相当な円高になっていれば、元本を毀損する可能性があります。今回は学費のために解約する時期が決まっているため、外貨建ての保険はおすすめできません。
サテライト部分は「一般NISA+債券」で
サテライト部分では積極的に投資を行っていきます。
BさんとCさんは、老後資金と人の子どもの教育資金はコア部分でなんとかなりそうですので、サテライト部分は少しリスクを取っていただき、外国債券投資信託をメインに、外国株式投資信託に挑戦するのもいいと思います。コア部分ではマイホームのことを考える余裕がありませんでしたので、サテライト部分での資産運用で安定的かつ積極的に行えば、住宅ローンの頭金をつくれるかと思います。その際、課税対象にはなりますが、一般投資による国内債券や外国債券を候補に入れてもいいでしょう。
BさんとCさんの資産形成案の結論
コア部分では、まずiDeCoで老後資金に備えます。そして万が一のときに家族を経済的に守ることも兼ねて、保険で子どもの教育資金を形成しましょう。
それだけではマイホームの資金が難しいので、サテライト部分で少しリスクを取り、頭金をつくることができれば、念願のマイホームにも希望が見えてくると思います。そして将来、投資に慣れ安定的な収益確保ができれば、コアとしても積極的な投資を目指してください。
福本 眞也
FPコンシェル株式会社 代表取締役
1級ファイナンシャル・プランニング技能士