イスラエル・ハマス戦争で地政学リスク高まるが…「株価への影響は限定的」か【マクロストラテジストが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)
イスラム組織ハマスによるイスラエルへの急襲により、地政学リスクが高まっています。一方、金融市場をみてみると、地政学リスクの高まりとは裏腹に、日米の株価は底堅い推移を続けています。いったいなぜなのでしょうか。フィデリティ・インスティテュート主席研究員でマクロストラテジストの重見吉徳氏が「今後も株価の見通しが明るい」理由を、複数のデータをもとに解説します。
昨年の株価大幅下落は一時的な調整に過ぎない
「米国債に大幅なor長期間のドローダウンが生じる間には株価はたいてい上昇している」というと、「昨年は、金利上昇とともに株価がかなり下がった気がするが……」と感じる方もいらっしゃると思います。
たしかに、【[図表7]の最右列の一番下】をみると、今回のドローダウン期間中にS&P500の最大ドローダウン(過去最高値からの最大下落率)は「-24.8%」とかなり大幅な下落になっています。
ただし、その下落はあくまで「大幅な右肩上がりの相場のなかでの調整」に過ぎず、前節で述べたとおり、現在の株価は、2020年8月に米国債のドローダウンが始まってから、いまだ「約3割高」の水準です。
言い換えれば、昨年の途中で抜け出した人の一部は大きな痛手を受けたかもしれませんが、株式市場に継続投資した人にとってはほとんど「実害」はなさそうです。
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重見 吉徳
フィデリティ・インスティテュート
首席研究員/マクロストラテジスト
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フィデリティ投信株式会社
マクロストラテジスト
大阪大学大学院経済学研究科博士前期課程修了後、農林中央金庫にて、外国証券・外国為替・デリバティブ等の会計・決済業務および外国債券・デリバティブ等の投資・運用業務に従事。
その後、野村アセットマネジメントの東京・シンガポール両拠点において、グローバル債券の運用およびプロダクトマネジメントに従事。
アール・ビー・エス証券にて外国債券ストラテジストを務めた後、2013年にJ.P.モルガン・アセット・マネジメントに入社、2019年同社マネージング・ディレクターに就任。ストラテジストとして、個人投資家や販売会社、機関投資家向けに経済や金融市場の情報提供を担う。2020年8月、フィデリティ投信入社。
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