税法の改正によって「逃げ回り」を封じる
税務署や国税局のマルサ以外の部隊が調査できるのは、管轄区域に確定申告をしているか事業所がある場合に限られる。
特に風俗業界には無申告の事業者も多く、住民票や事業主の居所、法人登記などから所轄書に調査権限自体があるのかどうかを判断するのだが、昨今のように経済活動が広域化すると税務署の管轄はあまりに狭く、やっとターゲットを見つけ出しても自分たちで調査できるとは限らない。
与えられた調査日数の縛りもあって深度ある調査ができなかったのだが、2021年になってようやく、税務調査中に管轄区域を越えて逃げ回る調査拒否を封じるために国税通則法が改正された。
これに対してマルサは、早期に着手して迅速に処理するため、事件の発見地を所轄する国税局の職員が証拠収集を行う。これを「発見地主義」と呼んでいるが、脱税の端緒さえ発見すれば全国どこでも内偵調査に入ることができる。
調査権限にも圧倒的な差があり、任意調査ではパソコンのデータは納税者の協力を得なければ見ることができないが、強制調査なら電子メールなどの電子データを押収することができる。
自宅や会社のパソコンを差し押さえた上で、ターゲットの同意がなくてもデータを調査する権限を持ち、クラウドなどのネットワークに保存されている電子メールや会計帳簿なども開示要請して収集する権限を持つのだ。
上田 二郎
元国税査察官/税理士
相続税の「税務調査」の実態と対処方法
調査官は重加算税をかけたがる
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