(※写真はイメージです/PIXTA)

「年間110万円までの贈与は非課税」というルールを知っている人は多いでしょう。しかし、なかには「あえて110万円超の贈与を行い、贈与税を支払っている」人もいると、多賀谷会計事務所の現役税理士・CFPの宮路幸人氏はいいます。いったいなぜなのか、詳しくみていきましょう。

年間110万円までは非課税・手続きゼロ…贈与税のキホン

贈与税には、大きく分けて2つの方法があります。それは「暦年課税」と「相続時精算課税」です。

 

暦年課税

「暦年課税」とは、1月から12月までの期間の贈与について課税する制度のこと。贈与により取得した財産の価額からの合計から、基礎控除額である110万円を差し引いた残りの額に課税されます。このため、年間110万円までなら贈与税はかかりません。

 

ただし、父親と母親からそれぞれ100万円ずつ贈与を受けた場合の課税価格は、200万円-110万円=90万円となり、贈与税額は90万円×10%=9万円となります。

 

贈与税の税率は課税価格により異なり、直系尊属から贈与を受けた場合、課税価格が200万円以下は10%ですが、4,500万円を超えると55%と非常に高い税率となってしまうため注意が必要です。

 

相続の計算の際には、直近3年間の生前贈与を足し戻すのですが、それ以前の贈与については課税されません。そのため、この制度を利用して相続税の負担を抑えるために、毎年少しずつ子や孫に財産を移転しているという方も多いのではないでしょうか。相続税額を抑えられるうえに、毎年の贈与税の申告も納税も必要ありません。

 

相続時精算課税

もうひとつの「相続時精算課税」とは、その名のとおり“相続時に精算をする”という方法です。親や祖父母から贈与された財産が2,500万円までであれば、贈与を受けたときに贈与税を納める必要はありません。一方、2,500万円を超えた場合は、その超えた額に対し20%の贈与税を納める必要があります。

 

ただし、この相続時精算課税は一度選択すると暦年課税に戻せなくなるため、いままで利用者はあまり多くありませんでした。しかし税制改正が行われ、2024年1月以後については非課税枠の110万円が使えることとなりましたので、これからは利用者の増加が見込まれています。

 

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