1.はじめに
生保・年金のマーケティングに関する代表的な調査・教育機関であるリムラは、世界12市場の成人消費者25歳から55歳を対象にオンラインで調査した結果を公表しており1、その中で相談できる金融アドバイザーの有無、信頼度等に関する各国の状況について、2023年2月8日付保険・年金フォーカス「コロナ禍を経て世界では金融アドバイザーが果たす役割が増大-日本とは大きく異なる各国の状況-」において紹介した。
ここでは、世界最大の保険マーケットを抱える米国の状況について、その後の調査により追加で入手できた情報等も加えて整理し、紹介したい。
1 LIMRA「GlobalConsumerPulse2022」2022年9月19日。当調査は、2022年の初頭に、世界12の市場の25~55歳の成人消費者を対象に、オンラインで行われたものである。12市場ならびに各市場における回答者数はつぎの通り。中国2562、インド2577、マレーシア1563、タイ1581、香港1263、台湾1554、シンガポール1261、韓国1271、日本2567、フランス1562、イギリス1584、ブラジル1560。
2.米国における金融アドバイザーの活用状況、ニーズ
米国では、相談できる金融アドバイザー2がいる人の割合は2022年で42%と、リムラが調査対象とした各国の中でも、さほど高いほうではない(図表1)。
一方、オンラインでの加入を希望する人の割合は各国に比べても著しく低い(図表2)。
また、米国生命保険協会(ACLI)等が45歳-65歳の被用者1003名に対して行った調査によれば(図表3)、「人々は、自分のニーズに合った商品やサービスを提供する様々なタイプの金融アドバイザーを活用・相談する選択肢を持つべきである。」との意見に対し、91%が「そう思う」うち、60%が「強くそう思う」と回答しており、金融アドバイザーに対する潜在的ニーズは高いものと推察される3。
2 LIMRA「GlobalConsumerPulse2022」によれば、金融アドバイザー(financialadvisor)とは、保険や投資、貯蓄の相談をする人を指す。なお、MORNINGCONSULT,ACLI「RETIREMENTPLANNING」(MAY2023)等、一部ではFinancialProfessionalsとしているものもあるが、ここでは併せて金融アドバイザーと記すこととする。
3 また、2022年12月26日付保険毎日新聞「MDRT日米の消費者意識調査記者説明会保険市場の需要動向探るファイナンシャル・アドバイザーの役割説明」では、同年11月29日に行われたオンライン記者説明会において、MDRTMDRT米国本部副会長のグレゴリー・ガニェ氏による「金融知識の浅い人はもちろん、投資にある程度の知識を持つ人々の間でも、ファイナンシャル・アドバイザーの存在は欠かせないことが分かる」との発言が掲載されている。
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