国は税制優遇等で投資をサポート
前述したように、日本では個人の金融資産の過半数が「現金・預金」という形で保有されています。しかし、超低金利が続いているので、そのままではほとんど増えません。また、円の価値が下落すれば、金額が減ることはなくても、資産価値の実質的な目減りは避けられません。そこで、当面の間使う予定のないお金については、ある程度、現金・預金以外の資産に振り分けて運用することで、資産価値の目減りの危険を回避し、また、長期的に増やしていこうとすることが考えられます。
このことは老後の生活資金の準備とも無関係ではありません。日本には公的年金制度がありますが、高齢化が進むなか、公的年金だけでは生活資金をまかないきれない可能性があります。
そこで、株式や投資信託を利用して長期間かけて増やしていくことが考えられるのです。
国が、株式や投資信託で得られた利益を非課税にする「NISA」制度(少額投資非課税制度)の拡充に乗り出したのも、国民の投資による資産形成の動きを促進しようという意図によるものです。NISAは2024年以降、制度として恒久化されます(従来は時限措置)。また、投資できる期間が無期限になり、非課税で投資できる金額の枠も総額1,800万円にまで増額されます。さらに、株式や投資信託を換金した場合は、その枠を再利用することもできます。
前述したように、株式や投資信託にはリスクがあります。ただし、それらのリスクは、株式であれば銘柄選びと長期保有により、投資信託であれば長期・積立・分散投資により、ある程度抑え込むことができます。また、NISA制度等の優遇税制も活用できます。さらに、資産の多くを現金・預金で保有し続けると、実質的に資産価値が目減りしてしまう可能性もあります。
これらのことを考慮すれば、今後、現金・預金の一部を株式や投資信託に振り分けて保有することは、資産運用の有効な選択肢となり得ると考えられます。
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