(※画像はイメージです/PIXTA)

ビッグモーター社の自動車保険の不正請求事件が、連日、話題に上がっており、自動車保険の不正請求の手口がいろいろとクローズアップされています。そもそも自動車保険とはどんな保険なのか、不正請求が行われるのはどのようなパターンなのか、本記事で解説します。

◆古い型式のベンツ等の「外車」がよく使われる

これらの手口においては、「10年落ち」等の古い型式の「外車」が利用されることが多くなっています。古い型式の外車が好んで使われる理由は、車両保険金のしくみにあります。

 

車両保険は、新車か中古車か、いつの年式かによって、細かく保険金額が決められています。年式が古くなれば車両保険金額は安くなっていき、10年もすれば車両保険を付けられなくなります。しかし、外車の場合は、年式が10年落ちくらいでも、車両保険金額は比較的高額に設定されています。なぜかというと、外車は国産車に比べ、部品等が高額であり、修理代金が高額になるからです。車両保険金が、車の時価を大きく上回ることがあります。

 

したがって、タダ同然の安いベンツを購入し、いたずら傷の偽装や車両盗難の偽装を行って「全損」ということで車両保険金を受け取ることができれば、それなりの利益を得られることになります。

 

ただし、損害保険調査会社の調査員の方から聞いた話によると、不正請求かどうかは、車検証を見ればすぐ見当がつくそうです。というのは、一般的にみて、いかに外車であっても、あえて低年式な車両を選んでいたずらをする動機や、盗難する動機が乏しいからだそうです。

 

しかも、もしいたずら傷や盗難被害が仮装だとすれば、最後に無傷の状態の車両を確認したのはいつなのか、事態に気づいたのはいつなのか、という経緯についていずれもウソで固めなければなりません。したがって、不正請求は容易に発覚するとのことです。

 

なお、軽微な擦り傷(擦過痕)の上から大きな傷をつける手口についても、傷を拡大鏡で細かく確認して傷がどこから入ったのか、どこへ向かっているのか、等を検証すれば、見破るのは容易だそうです。

 

ビッグモーター社の事件でにわかにクローズアップされた自動車保険(車両保険)の不正請求ですが、損害保険会社各社は、不正請求に対し、専門の調査会社の調査員に委託するなどして、その撲滅に取り組んでいます。不正請求が行われると、自動車保険の制度の根幹が歪められます。損害保険会社各社には、より一層フンドシをしめて、厳しい態度で臨むことが望まれます。

 

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