主要国で新高値をつけていないのは日本だけ
私が、「史上最大のインフレ相場がやって来る」と予測している根拠についてもう少し詳しくお話ししましょう。
まず根拠の第1に挙げられるのが、世界中に溢れ返ったマネーの量です。
2008年のリーマンショック以前は、世界の3大中央銀行(FRB、ECB、日銀)のベースマネー(マネタリーベースのこと。世の中に流通しているマネー)は、合計が400兆円にも満たなかった。ところが2020年のコロナ禍で大金融緩和が行なわれ、ベースマネーは2022年までに2,000兆円にまで膨れ上がりました。
1,600兆円も増えた。お金の量が約5倍になったのです。それで私は早くから、マネーバブル相場の到来を予想していました。過去になかったマネーバブルは、今もなお継続中です。
世界中の不動産、株価が釣り上がって、日本だけはまだデフレの出口に差しかかっているため、株価も不動産価格も欧米に比べ割安です。
だが世界は違う。先進国で日経平均株価のようなその国を代表する株価指数が、いまだ新高値を取っていないのは日本だけです。不動産価格も日本だけが前回のバブル時の高値を抜いていません。つまり、このマネーバブル、最終ランナーの日本がこれから資産インフレ、そしてバブルへ向かうことになるのです。
日銀は金融緩和政策を継続。植田和男新総裁は黒田東彦前総裁の意志を引き継いで、「物価目標2%が継続的に行われるまで、金融緩和は続ける、それが適切である」と明言しています。少なくとも2023年いっぱい、2024年まで金融緩和はこのまま継続される可能性が高い。
世界経済は今、異なる2つの潮流のただ中にあります。日本では金融緩和の継続、しかし世界はハイインフレ、金融引き締め。FRBは昨年0.75%の利上げを4回連続実施。2023年最初のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.25%の利上げを決定。アメリカは利上げによる引き締め継続中ですが、日本は金融緩和継続のゼロ金利。そのため円安トレンドが続くことが予想されるのです。
一時的に円高になったとしても、国際的な信用危機などによって一時的にドル売り円買いが起こるだけで円高トレンドになったとしても一時的だと思います。
菅下 清廣
スガシタパートナーズ株式会社
代表取締役社長
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