年収1,000万円超えでも、実は生活がしんどい?
質問者「先生、ウチの主人は年収1,300万円超えの超・一流企業の役員なんですけど……実はいろいろとストレスが溜まっていますの。先生にぶちまけてもいいかしら?」
じてこ先生SASA「(いや、『お金や税金の質問コーナー』なんやからふつうにアカンやろ……。しかも『一流』に『超』までつける感じ、モンスター相談者でないとええけど……)
ちょ、ちょっと奥さん、人生相談ではないんで、ストレスはぶちまけんといてください。(笑)お金や税金のことについてなら、答えられますけども!」
質問者「そう。でも安心して。お金と税金についてのストレスの話よ。」
じてこ先生SASA「……まぁ、でしたらかまいませんが。奥さん、人生勝ち組の豊かさオーラが滲み出ているじゃないですか? 何か問題があるんですか? 僕なんかのお話で奥さんの何かの救いになるのであれば、どうぞ、お話しください。」
質問者「先生、そこですよ。実は、もう豊かさオーラを出すのに疲れているんです。」
じてこ先生SASA「えっ? どういうことですか?」
質問者「『超・一流企業の会社役員らしく』とか、『超・一流企業の会社役員の妻らしく』するために、いちいち、出費がかさむんですの。
仕事上のお付き合いで主人が飲みに行けば、立場上、会計は主人が持つことが多いですし、お世話になっている方へのお中元やお歳暮なんかも欠かせません。
車もそれなりのものに乗らないといけませんし、住まいも都内の一等地です。子供たちの教育も、恥ずかしくない進路に行かせるために中学受験や高額な進学塾に行かせるとか、セレブらしく振る舞うのって、意外にお金がかかるんですのよ!?
主人が年に1,300万円も稼いでくれているのに、なぜか、全然生活に余裕がないんです!」
じてこ先生SASA「(自分で自分のことをセレブって言うんや……)はー、そうなんですねぇ。なるほどなるほど、所得が高い世帯には、所得が高いゆえの悩みも存在するわけですね。
豪華な生活をして幸せそうに見えても、それが本当に幸せかどうかは別物とも言いますし……。外国の調査では、年収800万円くらいの人が一番、幸福度が高いとするデータもあるみたいですね。」
質問者「そういうものかもしれませんわ。セレブにはセレブの悩みがあるんですの。」
じてこ先生SASA「(……まぁ、セレブ自称には突っ込まんほうがええやろうな・笑)
基本的には、たとえ低収入でも、逆にどんな高収入でも、すべての家庭は無理なく生活できる、身の丈に合った生活レベルを維持するよう気をつけましょう、というアドバイスになりますね。
年収が低い方は、比較的に節約重視の生活ができている、と言うか、そもそもお金がないのでそういう生活を強いられている場合が多いのですが、高収入の方の場合は手元のお金の制約がないので、意外に生活レベルを上げすぎてしまうことが多いようです。
世の中、上には上がいますからね。お金は使おうと思えばいくらでも使えるのですが、年収1,000万円台の人が、年収1億円台の人と同じ生活をしたら、いくら高収入の方でも破綻してしまいますよ。
一度上げた生活レベルはなかなか下げにくいものですが、我慢したり妥協したりできるところから、少しずつ節約的な生活を心がけることをお勧めします。」
質問者「……言いにくいことを、ズバリと言う先生ですわね。」
じてこ先生SASA「どうも、すいません。」
会社の仕事関係なら経費にできる
質問者「でも、まぁ確かに、不要な支出については見直さなければいけないんでしょうね。たとえばですけど、主人がお付き合いで会社の人なんかに奢っている飲み会の費用や、お中元・お歳暮などの代金は経費にできないのかしら?」
じてこ先生SASA「旦那さんご本人の税務上の経費にするのはむずかしいですね。ただ、お勤め先の一流企業の会社経費には、できるものがありそうです。つまり、支払い時に会社宛の領収書をもらって、のちほどお勤め先で経費精算してもらう形です。
会社の業務に役立てるために会食したり、お中元・お歳暮を送ったりしているのであれば、ふつうに経費で落とせる支出は多いと思いますよ?
変な見栄をはらずに、会社の経費にできそうなときには細かく領収書をもらうように、旦那さんに相談してみてください。
役員さんにまでなっているのだから、その辺りのさじ加減は、ご本人も十分承知しているはずですよ。ただし、同じ会社の社員同士で、ただ親睦のために飲んでいるような場合には、会社の経費にはできない場合も多いと思います。
……そういえば、私の国税時代の上司なんかも、部下や後輩の指導には信頼関係が大事だと言って、よく自腹で奢っていましたねぇ。」
質問者「そういうところが、サラリーマンは税金の面では損していると言われる原因なのかしら。
会社での人付き合いのために飲んだりしていても、すべては会社の経費にできないことがあって、さらに自分の税金計算のときにも経費にできないのよね?」
じてこ先生SASA「そういうことになりますね。実際、会社経営者なんかだと、経費にできる範囲がサラリーマンよりかなり大きいのは確かです。」