中国国有の石油大手、スリランカ市場参入の目的
中国国有の石油大手、中国石油化工集団(別名:シノペック・グループ)傘下のシノペック・エナジー・ランカ社(Sinopec Energy Lanka (Pvt)Ltd)は、スリランカの国営石油公社セイロン・ペトロリアム・コープ(CPC)が設定した価格より3.00スリランカ・ルピー(約1.36円)安いディーゼルおよびガソリンの販売を開始したと発表した。
シノペック・エナジー・ランカ社はスリランカ市場において20年間のフランチャイズ契約を締結しており、現在CPCが運営している150の給油所を引き継ぐことになる。シノペック・グループによると、7月にはさらに50ヵ所の給油所に新たに投資したという。
「シノペック・グループのスリランカ市場への参入は、同国の経済の安定と成長に積極的に貢献することを目的としており、エネルギー供給以外にも意義がある」とシノペック・エナジー・ランカ社は声明で述べた。同社は続けて「この試みは、スリランカにおけるエネルギー改革の幅広い目的にも合致しており、同国のエネルギー安全保障、アクセシビリティ、持続可能性に貢献している」と語った。
「シノペック・エナジー・ランカ社は1年間、自己資金で燃料を輸入する予定である」とスリランカのカンチャナ・ウィジェセケラ電力・エネルギー相は述べた。
現状は「インド石油公社傘下」の企業がリード
8月31日には、スリランカ西部州のマッテゴダで、フランチャイズの給油所1ヵ所が燃料の販売を開始している。
一方、CPCと競合関係にあるインド石油公社(IOC)傘下のランカIOCは、CPCの調達の非効率性や過剰な人員配置に対抗して、非常に効率的な経営を行っており、結果、多額の利益を計上している。これは、現状ではCPCとの競争においてランカIOCが成功していることを示している。