本調査のポイント
「サポート対応」の満足度が向上、コールセンターやAIチャットで改善
本年の総合満足度スコアは663ポイント(1,000ポイント満点中)となり、昨年調査(2022年6月発表)と比較し+5ポイントとなった。
ファクター別では「サポート対応」の満足度スコアが昨年から+17ポイントと向上が顕著となっている。なかでも「コールセンター」におけるサポート対応スコアが25ポイント向上しており、業界全体でサポートセンターの応対品質の向上がうかがえる結果となった。また、「オンライン」(チャットや問い合わせフォーム)でのサポート対応においても、昨年から10ポイントの向上が見られており、特に「AIチャット」における評価向上が顕著となった(昨年比+15ポイント)。
AIチャットに対しては、「言葉遣いが丁寧/親しみやすい」、「短い単語や少ない質問数で回答を得られる」、「質問を入力後、回答が表示されるまでの時間が早い」といった回答が昨年調査と比べて増加している。コールセンターの負荷軽減・呼量削減に向けて業界問わず導入が進んでいるAIチャットであるが、利用者からの評価が徐々に向上している様子がうかがえる。
コピー用紙やトナー・インク、文具等の購入需要が緩やかに回復の兆し
本年調査でも1年前と比べた購入状況の変化を主要商品分野ごとに聴取した。
新型コロナウイルスの感染拡大以降、大きく需要が増加したマスクや消毒液等も含む「衛生・医療・メディカル用品」であるが、「購入が増えた」とする回答は本年では23%にまで減少し、「購入が減った」とする回答が昨年と比べて増加した。
一方で、コロナ禍で購入が落ち込んだ「コピー用紙/OA用紙」や「プリンター用トナー・インクカートリッジ」、「文具・事務用品」等の物品は、「購入が減った」という回答が減少のトレンドにある。
新型コロナウイルスの感染拡大から3年以上が経過し、5類感染症への引き下げなども伴い、徐々にオフィスに従業員が戻ってきていることがこの背景にあると推察される。当調査でもテレワークを導入している事業所が昨年から減少している傾向が見られており、テレワーク中心であった事業所においても、現在はその頻度減少やオフィス勤務とのハイブリット型勤務等が行われていると考えられる。
オフィス勤務への回帰のなか、通販サービスの主要品目であったオフィス内での事務関連用品の需要が回復基調にあることがうかがえる結果となっている。
オフィス勤務回帰による満足度への影響
法人向け通販サービスでは顧客に対してさまざまなツールでお勧め商品等の情報提供が行われているが、「参考になった・役に立った」とされた内容と通販サービスの総合満足度を見ると、昨年とその傾向に変化が見られた。
昨年調査では、「テレワーク時の便利用品に関する情報」をあげた顧客の総合満足度が最も高かったが、本年調査では「防犯・セキュリティ対策に関する情報」をあげた顧客の総合満足度が750ptとなり、最も高い結果となった。また「オフィス家具やデスク収納に関する情報」や「オフィス移転やレイアウト・デザイン変更に関する情報」、「OA・PC機器に関する情報」が上位5つに入った。
前述のとおり、アフターコロナの現在、オフィス勤務を行う社員の増加や、テレワークと出社勤務のハイブリッド等、オフィス勤務への回帰の流れがあると推察される。アフターコロナにおけるオフィスの在り方や環境再構築が総務担当者を中心に検討課題となっているのではないかと考えられる。通販サービス会社においてもこのようなオフィス環境の再構築につながる商品やサービス提供が顧客満足度上も重要となっているタイミングにあるといえよう。
《最新のDX動向・人気記事・セミナー情報をお届け!》
≫≫≫DXナビ メルマガ登録はこちら