(画像はイメージです/PIXTA)

少子高齢化が進展する日本では、おひとりさまが増加傾向です。親からの相続が現実的になってくるとき、ぜひとも考えていただきたいのが「お墓」にまつわる問題です。FPが注意点を解説します。※本記事は、酒井 富士子氏の著書『おひとりさまの終活準備BOOK』(三笠書房)より一部を抜粋・再編集したものです。

先祖代々のお墓が「境内墓地」なら、想定外の負担も!?

境内墓地にあるお墓を承継すると、様々な費用負担や務めを引き継ぐことになります。

 

費用面では、墓地の管理費の支払いや、三回忌や十三回忌といった年忌法要で発生する費用の負担などを承継者が引き継ぐほか、寺院への寄付を求められることもあります。またそうした費用負担に加えて、墓地・墓石の清掃といった管理・維持の作業や、年忌法要の主催、また場合によっては寺院行事への参加など、お墓の承継者・檀家(だんか)※1として行うべき務めも引き継ぎます。おひとりさまも同様です。

 

そして、夫の実家のお墓に入る場合は、まずこうした費用負担や務めの内容を把握して、夫の実家と菩提寺(ぼだいじ)※2との間でトラブルが生じていないかなどを確認します。

 

※1 特定の寺院に所属し、寺を支援する家のこと

※2 自分の先祖代々のお墓があるお寺のこと

 

特に注意したいのは、費用面の問題です。霊園と違って寺院では料金規定が明示されているわけではないため、後になって「こんなに費用が必要だなんて知らなかった」とトラブルになることがあります。

 

またほかにも、下記のような金銭トラブルもたびたび発生していますので、夫の実家に状況を確認しておきましょう。

 

◆境内墓地のお墓の注意点

★承継者・檀家として引き継いだ場合の費用負担・務めの例  

 

墓地や墓石の管理・維持、墓地の管理料の支払い

 

先祖の法要を行う(法要の費用負担も)

 

檀家の務め

●寺院行事に参加し、お布施を渡す

●寺院の維持のための寄付

 

★菩提寺・檀家とのトラブル例 

 

●不定期の寄付の強要

●高額のお布施

●改葬に伴う離檀料の請求トラブル

●戒名のランク分けによる高額化 など

 

Point

 

①境内墓地のお墓を引き継ぐと、墓地管理料の支払いなどの費用負担や年忌法要の実施などの務めも引き継ぐ

 

②菩提寺との金銭トラブルがないか必ず確認する

 

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本連載は、酒井 富士子氏の著書『おひとりさまの終活準備BOOK』(三笠書房)より一部を抜粋・再編集したものです。

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