(画像はイメージです/PIXTA)

人生100年時代、だれもがリスクを抱える「認知症」の問題。もし「おひとりさま」が発症したら、一体どんなことになるのでしょうか。また、対応策はあるのでしょうか。FP資格を持つ経済ジャーナリストが解説します。※本連載は、酒井 富士子氏の著書『おひとりさまの終活準備BOOK』(三笠書房)より一部を抜粋・再編集したものです。

有価証券や保険などを流動性資金に換えておく

全銀協の新指針によって、代理権を持たない親族でも普通預金を引き出すことが可能となりましたが、それも代理人が決まるまで。普通預金以外の金融商品(株式、投資信託などの有価証券や定期預金など)の解約や売却は原則できません。

 

そこで、ぜひやっておきたいのが、認知症のリスクが高まる80歳になる前に、定期預金や生命保険は解約、株式や投資信託などの有価証券は売却して、「流動性資産」として普通預金にまとめて預けることです。こうすることによって、いざ医療費や施設入居費などが必要になった際に、スムーズに現金を用意できる体制が整うのです。

 

また、資産を複数の口座に預けている場合には、銀行口座は2つまでに、証券口座も閉鎖するか一つに絞っておくといいでしょう。複数の口座があるとすべての資産を把握しにくく、認知症になった後に口座の存在自体を忘れてしまう危険性も否めません。使用頻度の低い口座は積極的に解約し、資産管理が行いやすい体制をあらかじめ整えておくことが重要です。

 

◆80歳になったら、なるべくお金は引き出しやすくしておく

 

[図表2]銀行口座は2つまでに、証券口座も閉鎖するか、一つに絞る

 

[図表3]株式や投資信託、生命保険などは解約して普通預金に

 

Point

 

無権後見人である親族は、株式などの有価証券や定期預金といった金融商品の解約や売却はできない

 

②80歳を目安にお金をまとめて引き出しやすく

 

 

酒井 富士子
経済ジャーナリスト、FP

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