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フィリピン経済を支えるOFWからの送金、半年ぶり高水準
フィリピン中央銀行(BSP)のデータによれば、海外フィリピン人労働者(OFW)からの送金は、6月に6ヵ月ぶりの高水準に達し、銀行を通じてのキャッシュ送金は、2022年同月の27.5億ドルから2.1%増の28.1億ドルに増加しました。
2023年6月のキャッシュ送金は、2022年12月の31.6億ドル以来の最高水準です。一方で、2.1%の年間成長率は、2022年5月の1.8%以来、13ヵ月ぶりの低い成長率。陸上労働者からの送金は、2023年6月に2.1%増の22.9億ドルに増加し、海上労働者からの送金は1.9%増の5.24億ドルに増加しました。
2023年上半期累計においては、キャッシュ送金は2.9%増の157.9億ドル。ホスト国での改善した経済状況により、OFWにとっての仕事の機会と賃金が向上したため、送金額が増加したとみられています。また、物価上昇に対処するためにOFWが家族に対して送金額を増やした可能性も指摘されています。
ヘッドラインインフレーションは、2023年6月に6.1%から5.4%に緩和し、14ヵ月ぶりの低い水準となりましたが、BSPの2~4%の目標バンドを上回るインフレが、15ヵ月継続中です。1月から6月までのキャッシュ送金は、主にアメリカ、シンガポール、アラブ首長国連邦(UAE)からの入金の増加によって牽引されました。アメリカが最大で、総送金額の41.1%を占めています。そして、アメリカ、シンガポール、サウジアラビア、日本、イギリス、UAE、カナダ、韓国、カタール、台湾で、上半期の総キャッシュ送金額の79.7%を占めています。
今後のOFWからの送金については、世界経済の状況や為替動向に左右されます。また、コロナからの学校再開により、OFWが家族に送金する金額が増加する可能性があります。アグレッシブなFRBの利上げによるアメリカの経済減速のリスクが顕在化し、雇用が減少する場合、OFW送金にとっては打撃となる可能性があります。
一方で、中国経済再開がうまく軌道に乗れば、これを相殺する可能性があります。中央銀行は、今年の送金が3%増加すると予想しています。
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