マクドナルドの「夜マック」の事例
ほかにも、世の中には参考になる事例がたくさんあります。大手ハンバーガーチェーンのマクドナルドが提案した「夜マック」はその最たるものです。私は思わず「このアイデアはやられたな~」と、感心しました。
マクドナルドには、「夜マック」が始まるずっと前から、「朝マック」という商品が存在していました。「マフィン」や「ホットケーキ」など、朝マックにしかない専用メニューを楽しまれた方も多いのではないでしょうか。
「夜マック」も、「朝マック」と同じように専用メニューはあるのですが、よくよく観察すると、朝マックとは様相が異なることに気づきました。
「夜マック」のメニューには、「倍ビッグマック」や「倍フィレオフィッシュ」といったように、従来のメニューに「倍」という文字をつけたものが大半だったのです。先ほど紹介した「11個の切り口」で考えると、次の組み合わせになります。
【夜マックを「11個の切り口」で分析】
・「サイズ・容量を変える」×「売る時間を変える」×「機能を変える」×「名前を変える」
・「サイズ・容量を変える」→パテの使用量を2枚(倍)に変えた。
・「売る時間を変える」→夕方以降の販売に変えた。
・「機能を変える」→「夕食需要」に焦点を当てた。
・「名前を変える」→既存商品名称に「倍」をつけた。
「夜マック」は、この組み合わせによって、「ちょっとした違いをつくる」ことに成功したのです。ここで変えたのは、簡単に言ってしまえば、パテの量を倍にしただけです。たったそれだけで、新たな需要を引き出した好例です。本当に見事な企画でした。
みなさんも、このマクドナルドの例をイメージしながら、11個の切り口を使って、組み合わせを考えてみてください。「ちょっとした違い」が簡単につくれます。最初は、ほんの「ちょっとした違い」に思えたとしても、やがてはお客様をファンにする「大きな違い」につながっていくのです。
経営コンサルタント
株式会社シャイン&コー代表取締役社長
市原 義文
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