自己破産に直結するケースも珍しくない
不動産投資では、多くの投資家がローンを組んで物件を購入します。そのため、少ない自己資金で高額な投資が可能となり、レバレッジが効いた、「超ハイリスク・ハイリターン」になりがちです。
そのため、もし割高物件を購入してしまい収支が悪化すると、物件を売却してもローンを返済しきれず、負債だけが残るということが起こり得ます。その末路として、筆者が相談を受けた方のうち2割から3割は、最終的に自己破産を選択することになります。
不動産投資で失敗して高額な負債だけが残った場合、自己破産して負債を免責し、一から再出発するのは賢明な判断ではありますが、資産を形成しようとして投資をしたにもかかわらず、逆にほかの資産まで失ってしまうのは皮肉なことです。
不動産投資の失敗で心まで苛まれ…
筆者が日々相談を受けるなかで感じている不動産投資のリスクは、資産だけでなく、心の健康まで失ってしまう方が多いということです。
楽観的な方であればまだいいのですが、物件を保有し続けることで「本当にこのまま持っていて大丈夫なのか?」という不安に苛まれ続ける方が多いのです。なかには、将来への不安から、不眠やうつ状態になる方もいます。ほかにも、保有する不動産への心配が頭から離れず、本業の仕事が手につかないという声もよく聞きます。上述した勤務医の高橋さんも、その1人でした。
本来、不動産投資は将来の安心のために行う資産形成なのですが、その投資をしたことで心の平穏が失われてしまっては本末転倒です。仮に失敗したとしても、精神が不安定にならない程度の損失ですむような、リスクコントロールができるものを選択すべきでしょう。そうすれば、物件購入後も、精神的な余裕を持って投資を継続することができるのです。
加藤 康介
ライフソレイユ株式会社 取締役
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