(写真はイメージです/PIXTA)

23年7月は、外国株式ファンドの販売が好調だったことが影響し、日本籍追加型株式投信全体で9,500億円もの資金流入がありました。資金流入額は、6月の5,400億円を大幅に超えて23年で最大となりました。本稿ではニッセイ基礎研究所の前山裕亮氏が、カテゴリーごとのファンドへの資金流入状況を分析します。

今年最大の資金流入

2023年7月の日本籍追加型株式投信(ETFを除く。以降、ファンドと表記)の推計資金流出入をみると、7月は外国株式や国内株式を投資対象とするファンドに大規模な資金流入があり、ファンド全体でみると9,500億円の資金流入があった【図表1】。

 

6月の5,400億円から急増し、2023年に入って最大となった。なお、7月はSMA専用ファンド(紺棒)についても外国債券や国内債券のものを中心に全体で1,700億円の資金流入があり、2022年以降で最大であった。投信だけでなく、ラップ口座の販売も好調だった様子である。
 

なんといっても7月は外国株式ファンドの販売が好調であった。

 

外国株式ファンドには7月に4,500億円の資金流入があり、6月の2,200億円から倍増した。外国株式ファンドは、SMA専用ファンドから300億円も資金流出していたのにも関わらず、2023年で最大の流入となった。

 

 

インド株式ファンドがアクティブ型の販売をけん引

一般販売されている外国株式ファンドをタイプ別にみると、7月はインデックス型に3,300億円の資金流入があり、6月の2,900億円から増加した【図表2】。特にインデックス型の中で米国株式ファンド(青棒)の資金流入が1,600億円と6月の1,300億円から300億円増加した。

 

 

さらに7月は、一般販売されているアクティブ型の外国株式ファンドにも1,600億円の資金流入があり、3月以来4カ月ぶりに流入超過となった【図表3】。アクティブ型の流入額1,600億円のうち1,100億円はインド株式ファンド(緑棒)への流入であり、インド株式ファンドがアクティブ型の販売を牽引したといえよう。

 

なお、インド株式ファンドはアクティブ型だけでなくインデックス型にも100億円の資金流入があり、インド株式ファンド全体では1,200億円の資金流入があった。過去最大であった2007年12月の1,400億円に次ぐ規模となった。

 

 
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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年8月3日に公開したレポートを転載したものです。

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