(※写真はイメージです/PIXTA)

副業や転職が当たり前になりつつある昨今、会社員として働き続けるよりも、脱サラしてフリーランスとなったほうが収入アップにつながるケースも増えてきています。ただ、目先の収入だけを重視すると、老後に大きなしっぺ返しを食らう危険性があると、牧野FP事務所の牧野寿和CFPはいいます。新卒で入社して10年勤めた会社から独立し、フリーランスとして生きていくか迷っているDさん(33歳)の事例をみていきましょう。

老後資金の不安を軽減…年金受給額を上乗せする方法とは

そこで、Dさんが老後の生活のために今からできる対策を考えてみます。まず、老齢基礎年金の受給額を上乗せする案です。

 

国民年金に60歳以降も任意加入する

Dさんは、20歳から23歳で就職までのあいだ国民年金に未加入でした。そこで60歳以降もその期間分、国民年金に任意加入し、毎月16,520円(令和5年度)の保険料を納付すれば、65歳から満額の老齢基礎年金795,000円、月6万6,250円(令和5年度)、現在の受給見込額より39,700円、月3,308円増額できます。

 

付加年金に加入する

国民年金の第1号被保険者と60歳以降国民年金に任意加入した時、国民年金保険料に「付加保険料」を月400円上乗せすれば、老齢基礎年金の受給額が「200円×付加保険料納付月数」分(定額)上乗せされます。

 

Dさんが33歳から60歳まで付加年金を納付すれば、65歳から老齢基礎年金の受給額に64,800円、月5,400円増額します。

 

また、金融商品を利用して定額を積み立てることにより、金融資産を増やすことも有効です。

 

金融商品を積み立てて資産を形成する

Dさんが33歳から60歳まで324月、仮に、毎月3万円ずつ銀行の定期預金に年利0.002%で積立ていくと、60歳の預金残高は972万2,633円(うち利息2,633円)になります。

 

また、株式や投資信託などで、仮に3万円ずつ平均利回り3%と仮定して324月運用すれば、60歳には1,489万2,544円(うち利息517万2,544円)の金融資産を形成できます。

 

65歳から15年間、月82,736円ずつ取崩していけます。ただし、投資した元本を割込むリスクがあります。

 

なお、株式や投資信託で運用する商品は、税制優遇制度が適用される、iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)のなかから探してもいいでしょう。

「自助努力」が大前提

確かにフリーランスに定年はなく、60歳以降も積立は可能です。Dさんは毎月いくら定期的に積立てるのか、その金額を決めるためにも事業計画を策定することが先決です。

 

筆者は、Dさんは意中の人と結婚したいこと。また、多くの夢も話してもらいました。その夢を叶えるためにも、年金に頼るだけはなく、自助努力で資産を形成していくことが大切です。

 

 

牧野 寿和

牧野FP事務所合同会社

代表社員

 

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※プライバシー保護の観点から、登場人物の情報を一部変更しています。

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