全国の宿泊施設で人手不足が相次ぐ

ホテルなど宿泊施設の人手不足が深刻さを増している。宿泊分野の人材を紹介するダイブ(東京・新宿)と全国旅館ホテル生活衛生組合連合会青年部(東京・千代田)が5月に実施した調査によると、全国のホテル・旅館の約9割が「人手不足を感じている」と回答した。政府は今年5月、新型コロナウイルスの感染症上の分類を季節性インフルエンザと同等の5類に引き下げた。人の移動が活発になり、訪日外国人数も回復していることを受けて、宿泊分野の人手不足がより深刻になっていることが浮き彫りになった。本稿では同調査の詳細を紹介する。

アフターコロナ時代、「外国人採用に前向き」7割

調査はダイブと全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会が2023年5月15日から26日に実施し、有効回答数は318件だった。

 

アンケートでは「現在、人手不足を感じているか」との質問に対して「はい」との回答が86.8%に達した。「いいえ」との回答は13.2%にとどまった。総務省の労働力調査によると、「宿泊業、飲食サービス業」の就業者数は足元で増加しつつあるものの、コロナ禍前の2019年に比べてなお大幅に減少している。一方、アフターコロナ時代を迎えて宿泊者数は急増することが見込まれ、宿泊業界の人手不足はさらに深刻になりそうだ。

 

人手不足への対応に関連して「2023年1月以降に外国人の採用をしたか」と質問したところ、45.9%が「採用した」と回答した。「時期は決めていないが、採用する予定」が14.8%、「3ヵ月~半年以内に採用予定」が4.4%、「1年以内に採用予定」は3.5%だった。全体の約7割が外国人の採用に対して前向き、またはすでに採用しているという結果となった。

 

訪日外国人の予約が「増加した」76%、東アジア中心に増加

【表1】「現在、人手不足を感じていますか?」のカウント数

 

アフターコロナ時代を迎え、宿泊業界も旅行者の増加を実感しているようだ。「2023年以降、訪日外国人の予約が増加したか」との質問に対しては「増加した」が76.1%に達した。「増加していない」は23.9%にとどまった。「訪日外国人のうち、最も多い国・地域を3つあげてほしい」との質問への回答は「韓国、台湾、香港」が8.8%と最多だった。次に多かったのは「韓国、中国、台湾」で7.9%だった。

 

【表2】「全国旅行支援」による観光需要喚起の効果について

 

政府の観光支援策「全国旅行支援」の効果については「とても効果を感じた」が61%、「やや効果を感じた」も26.1%に達した。合わせると、効果を感じている宿泊施設は9割近くにのぼるということになる。一方で「効果を感じなかった」は0.9%、「あまり効果を感じなかった」は2.2%にすぎなかった。

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