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面接対策のポイント
事前に対策できることは案外シンプルなので、ポイントを押さえて準備を行います。
対策しておくべきポイントはこちらの4つです。
②過去問を確認し、過去に聞かれた質問や形式を把握しておく
③面接で問われそうな医学知識・医療ニュースを調べておく
④答えにくい質問への対処法
①面接でよく聞かれる質問に対し、あらかじめ答えを用意しておく
医学部の面接試験で聞かれる質問には典型的な質問があります。典型的な質問に対しては、すらすら答えられるように回答を用意しておきましょう。
<面接試験でよく聞かれる質問>
・「医師、医学部を志望する理由」
・「本学を志望する理由」
・「自分の長所、短所と医師に向いている理由」
・「どんな医師になりたいか・理想の医師像について」
・「高校生活や部活動について」
・「医学部に入ったら何をしたいか」
いずれも医学部面接試験では典型的な質問となっています。あらかじめ文章を考えておきましょう。回答作成時は、難しく考える必要はありません。おさえておくべきポイントに気をつけて文章を構成しましょう。
■回答作成時のポイント
●結論から述べること
●結論を説明する根拠として具体的なエピソードが述べられていること
●話に一貫性があること
これらのポイントがおさえられていると、相手に伝わりやすく、納得感のある印象を与えることができます。逆に言えば、これらのポイントを外してしまうと『よくない回答』となってしまいます。
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<よくない回答>
× 結論から話さずにだらだらとエピソードを話してしまう
⇒何を言いたいのか聞き手に伝わりにくい話し方です。
× 話に具体性がなく、一般論になってしまっている
⇒話の内容自体は問題なくても、一般論では納得感が生まれません。
× 話に一貫性がないこと
⇒主張がコロコロ変わったり、文脈に合わない文章が入っているのはNGです。
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受験生を指導していて特に多いと感じるのは、質問に対して何でもかんでもストーリーで語ってしまう人です。
例えば、「あなたの長所について教えてください」という質問に対し、「私は小さいころからオーケストラに所属していて、中学生では指揮もつとめました。また高校では…」とストーリーや体験を答えてしまう、といった具合です。意識していないとついエピソードベースで話してしまうのですが、良い印象ではありません。
面接試験で回答する時は、とにかく結論から手短に答えることを心がけると良いです。「私の長所は責任感があることだと思っています」「継続して努力できることです」など、まず結論からバシッと答えましょう。そのあとで、「それは、〜という経験をしてきたからです」と、結論を述べたあとで理由や体験を話すと説得力が生まれます。
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【面接回答例】医師・医学部を志望する理由
「私が医師を志望する理由は、病気を患った人々に生きることへの希望を与えることのできる職業に就きたいと思ったからです。(⇒◎ 結論から述べている)
小学生の時に友人が難病を患ったことをきっかけに、健康な生活を送っていた人が突然病気を発症することにより、今までと全く違う生活を送らざるを得ないという状況に愕然としました。(⇒◎ 具体的なエピソードがあり、それについて自分はどう受け止めたかを書いている)
友人と同じような境遇の人々に少しでも生きる希望を与えるため、自らの力で病気の診断、治療を行うことができる医師という職業に就きたいと感じるようになりました。(⇒◎ 最初に述べた結論とズレがなく、話に一貫性がある)」
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■面接で答える時のコツ
よく聞かれる質問に対しては、つまらずスラスラ答えられるのがベストです。しかし、文章を丸暗記してしまうと棒読み口調になってしまったり、面接官に話を中断された時にうまく対応できなかったりします。
答える時は文章そのものを思い出すのではなく、情景を思い浮かべるようにして話すのがコツです。話の流れは箇条書き程度に頭に入れておき、答える時は場面を想像しつつ柔軟に回答するようにしましょう。
とはいっても、最初からうまく答えるのは難しいと思うので、何度か声に出して練習してみるのがおすすめです。
人前で話すのが苦手であれば、数回模擬面接をしておくのも有効です。模擬面接の相手がプロである必要は全くありません。親や学校の先生、友達に「よく聞かれる質問」を尋ねてもらうだけで十分効果があります。他の人に聞かれたくなければ、鏡に向かって練習してもよいでしょう。
■面接で不合格になったNG例
これは実際に医学部の面接官をされていた先生からお話しいただいた内容です。
●沈黙してしまう、泣いてしまう
⇒予想外の質問や、やや圧迫気味の質問をしたとき、パニックになってしまい沈黙してしまったり、泣いてしまった受験生がいます。沈黙や泣いている時間が長いために時間内に評価ができず、不合格になったケースがあります。
真面目に答えようとしている中で、少し沈黙してしまったり、返答が遅れてしまう程度は全く問題ありません。面接官の質問が聞き取れなかった場合でも、落ち着いて丁寧に聞き返せば大丈夫です。
●態度やマナーが悪い
⇒明らかに不適切な服装をしていたり、髪の毛を明るく染めていたり、面接官の質問に真摯に回答しようという姿勢が感じられない受験生は不合格の対象となります。服装、入室時の挨拶、姿勢、退室の仕方など、最低限のマナーは知っておきましょう。
服装は、現役生は制服(ない場合はそれに準ずる格好)、浪人生はスーツを着用すればOKです。男女とも清潔感のある服装・髪型を意識しましょう。
●医師として(人として)倫理的にNGな発言をした
⇒医学部の志望理由として、明らかに倫理的にNGな返答をした受験生は不合格の対象となります。医師志望動機に、年収が高いことや社会的地位が高いことを挙げるなどは一発不合格となり得るので注意しましょう。
②過去問を確認し、過去に聞かれた質問や形式を把握しておく
過去に聞かれた質問や面接試験の形式について把握しておきましょう。
早い時期から確認しておく必要はなく、私立医学部であれば一次試験に合格してから、国公立医学部であれば共通テスト後に見ておけば間に合います。
面接試験の形式や面接時間は大学によって様々です。
スタンダードな形式としては、面接官2~5名と受験生1人が話すという形式があります。その他の形式としては、面接官複数と受験生複数で行われるグループ面接、受験生同士で話し合う集団討論、面接官が1人いる部屋を順番に回っていき1対1で会話するMMI方式などがあります。
ブログ「医学部受験バイブル」では、国公立医学部、私立医学部の各大学ごとの面接過去問をまとめておりますので、ぜひご活用ください。
③面接で問われそうな医学知識・医療ニュースを調べておく
医学部の面接試験では、医学知識や医療ニュースについて質問されることがあります。社会問題になった常識的なトピックについては、知識をインプットしておくようにしましょう。
マニアックな医学知識を持っているかではなく、世間でも話題になった医療ニュースについて、しっかり自分なりの意見を持っているかどうかが問われています。
完璧な答えを用意しようと知識を暗記する必要はありません。最低限の知識さえあれば、あとは自分なりの考えを発言できたらOKです。
細かい医学知識を取り上げて、「〇〇を知っていますか?」という質問はめったにされませんし、知らなくて不合格になることはありません。
むしろ、知らなかった時にどう対応するかが大切なので、わからなければ正直にその旨を伝えましょう。
④答えにくい質問への対処法
無理にいいことを言おうとするより、正直に答える方が印象がよくなることは多いです。
例えば、明らかに緊張していて人と話すのが苦手そうな受験生がいるとします。面接試験で、「コミュニケーションは得意ですか?」と質問されたとき、「はい得意です」とぼそぼそと答えるのはおすすめできません。
全く得意そうに見えないのに、得意だと答えるのはプラスにはなりません。その場合は正直に、「恥ずかしながらあまり得意ではありません。いまも緊張しています。ですが、これから医学部に入り、医師になるまでに少しでも改善できるよう、努力していきたいと思っています」と答えましょう。その方がはるかに好印象にうつります。
もう一つよくあるのが、知らない事柄について質問されるケースです。その時、知ったかぶって的外れな意見を述べるくらいなら、「申し訳ありません。勉強不足のためそのテーマは存じ上げません」と正直に回答する方がよいでしょう。
【執筆】綿谷 もも
医学部医学科卒。数学が大の苦手で、高3の冬に受けた模試では偏差値39を取ってしまうほど。エースアカデミーで1年間浪人し、センター試験本番で90%以上を達成、関東の難関国立医学部、難関私立医学部に合格。
医学部入学後はエースアカデミーの医学生講師として6年間受験生を指導し300人以上の医学部合格に貢献。その経験をもとに、医学部在学中に書籍『医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物』を執筆、出版。将来の夢は小児科医。アイドルと猫が好き。
【監修】高梨 裕介
医学部予備校エースアカデミー 塾長、医師
医師/大阪医科大学卒、初期研修修了後に創業。
中学受験経験(灘、東大寺、洛南、洛星中学に合格)。
自身の医学部受験の反省を活かし、350名以上の医学部合格者を指導。医学部合格のためのよりよい指導をより安く提供することを理念としてエースアカデミーを設立。