自律型組織「指示ゼロ経営」の活動様式
指示ゼロ経営では、チーム単位で課題に取り組みます。その活動様式を、当社の新聞配達のチーム(約30人)の例で説明します。
新聞配達には配り間違いがつきものです。当社が指示ゼロ経営になる以前は、全体で月に10件~15件ほどの配り間違いがありました。配り間違いが多い配達員には、上司が目標を与え、一対一の指導を行うのですが、一向に配り間違いは減りませんでした。指示ゼロ経営を導入してからは、みんなで話し合い、「チーム全体で、配り間違いを月に5件以内に収めよう」と全体目標を設定しました。その上で、指示ゼロ経営の、「共創・協働の仕事の進め方」を行います。(図表1)
三角形の頂上にある「P」は、Plan(計画)を意味します。指示ゼロ経営では、チームの目標に対し、みんなで知恵を出し、目標達成の計画を立てます。新聞配達の事例では、30人全員が集まり、配り間違いが少ないベテランのやり方を分析し、それを参考に、一人ひとりが自分の配り方を考えました。
次に、三角形の右下「D」は、Do(実行)です。計画を立てることは大切ですが、実際にやってみないと分からないことがあります。逆に言うと、やってみれば分かることがあるということです。
指示ゼロ経営では、大まかな計画を立てたら、できるだけ早く実行します。DOの次、左下の「S」は、See(検証)です。行動した結果から分かったことや、計画修正の必要性の有無を検証します。そのためには、自分たちが行動した結果を客観的に確認できるように、情報公開がなされている必要があります。情報公開をしなければ、次の「P」を立てることができません。
指示ゼロ経営は、「人は指示命令ではなく、情報をもとに、自ら意思決定する」という考え方で運営します。当社では、新聞の配り間違いの情報や、個々のスタッフの工夫など、様々な情報を収集し、社内報や勉強会で全員に公開しています。
このように、チーム単位で、成功するまで粘り強くPDSを回し続けるのが、指示ゼロ経営の仕事の進め方です。
《最新のDX動向・人気記事・セミナー情報をお届け!》
≫≫≫DXナビ メルマガ登録はこちら