【12/7(土)開催】
従来の分散投資で資産を守れるのか?新時代の富裕層が実践する
金融大国「シンガポール」や「フィリピン永住権」を活用した新・資産防衛法
フィリピン「国営ファンド」創設に向けて…課題は?
マルコス大統領は、経済学者らが資金調達と運営に関して懸念を表明していた、ソブリンウェルスファンド*を創設する法案に署名しました。この法案は、フィリピンの経済成長、さらにはインフラストラクチャーの整備を促進することを目指すマハーリカ投資基金(MIF)法(共和国法第11954号)です。
*国家の金融資産を積極運用する政府が出資する投資ファンド
マラカニアン宮殿は、新たに署名された法律の文書をまだ公開していませんが、大統領広報局が発表した情報に基づくと、同基金は5,000億ペソ相当の優先株式と普通株式を発行し、政府(NG)、国営企業、金融機関が出資できるようになるとのことです。初期資金の1,250億ペソは、フィリピン娯楽事業公社(PAGCOR)やその他の政府所有のゲーム事業者や規制機関からの収入、民営化収益、政府資産の譲渡などから調達されます。
NEDA長官は、政府はマハーリカ投資基金(MIF)を活用して、エネルギー部門などの戦略的な領域はじめ資本が非常に必要な領域はたくさんあるとしています。また、現在、フィリピンは2025年までに世界銀行の設定しているカテゴリーで低中所得経済国から上中所得国への昇進を目指していますが、マハーリカ投資基金(MIF)は、フィリピンが上中所得国カテゴリーに昇格して、公的開発援助などの優遇融資を受ける資格がなくなる場合に、債務調達の代替手段としても機能するとも述べています。
一方で、一部の専門家からは、ガバナンスに関連する問題や、議会が予算の権限を放棄してしまうことについての指摘もあります。さらにマハーリカ投資基金(MIF)に中央銀行が全額の配当を提供することが求められるため、中央銀行の資本増強により多くの時間を要することになります。現在の世界経済の不確実性と変動性の時代において、通貨当局はむしろ強化されるべきとの意見もあります。
またマハーリカ投資基金(MIF)に使用される公的資金を補充するために、政府は税金を増やすか、国内外で資金を借り入れるか、または両方を行わなければならなくなる可能性も指摘されています。そして、マハーリカ投資基金(MIF)が医療、住宅、教育などの社会サービスに使用可能な公的資金を減少させる可能性があるとの懸念も一部の専門家から指摘されています。
マルコス大統領は、マハーリカ投資会社(MIC)が、政治化されないようにすることを強調し、基金の決定は政治的なものではなく、財務的なものでなければならなず、それが基金の本質で、基金が利益を上げられない場合、基金は失敗する、シンプルなことだと述べています。
マラカニアン宮殿の文書によると、MICは財務大臣を含む9人のメンバーで構成される取締役会を持つ予定ですが、大統領や財務大臣が意思決定のループに入れると、その決定は政治的な考慮によって色づけされるとし、マルコス大統領は演説で、財務大臣だけでなく大統領もMICの取締役会のメンバーに含めるべきでないと述べています。
ディオクノ財務大臣は、財務大臣がマハーリカ投資基金(MIF)を運営することはなく、非政治家である9人のメンバーからなるマハーリカ投資会社の独立した取締役会が基金を運営。予算管理局、NEDA、財務省による投資とリスク管理のための諮問機関を設置する予定です。
マハーリカ投資基金(MIF)は国際的に認められた透明性の基準に従うよう求められ、厳格な財務報告と監査システムを採用し、監査委員会、内部監査人、外部監査人、および監査機関による厳格な審査と監査を受けることになります。また、MIC法は、さまざまな違反行為に対して100万ペソから1500万ペソの罰金と、6年から20年の懲役刑を規定しています。
署名式の後、この法律の実施規則(IRR)は年内に完成する見込みで、マハーリカ投資会社(MIC)は、2024年末までに完全に稼働する予定です。
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