(※写真はイメージです/PIXTA)

親が高齢になると、いつケガや病気に襲われてもおかしくありません。入院となるとまとまったお金が必要になるため、無対策のままでは、最悪の場合「医療費破綻」に陥る危険性も。そこで、FP監修のもと「親の入院に備えてやっておくべきこと」についてみていきましょう。※本記事内の情報は、2021年4月時点のデータに基づいています。

高齢の親がいる場合は「すぐに使えるお金」の備えを

Q.親が突然の入院! お金ってどのくらいかかる?
……A.「そのとき」に備えてすぐ使えるお金を用意しましょう

 

転倒して骨折した、脳卒中で倒れた、がんが見つかった……。高齢になると、いつケガや病気に襲われるかわかりません。親と離れて暮らしている場合は特に、「まずは近所に住む親戚や知り合いに対応してもらい、子どもは休日に駆けつける」「比較的自由度の高い仕事をしている私がまず駆けつけ、そのあとで妹と交代する」など事前に対応のしかたをシミュレーションしておきましよう。

 

また、誰が駆けつけてもスムーズに準備ができるように、旅行カバンにタオルや着がえ、洗面用具、箸やコップなどを入れた「入院セット」を親に用意しておいてもらうと安心です。

 

入院時には、保証金(5万~10万円程度)を先に支払うことになります。これは退院時に精算される預かり金的なものですので、原則クレジットカードは使えません。現金を準備しておきましょう。

 

では、実際の入院治療にかかる費用はどのくらいでしょう。たとえば脳梗塞で入院した場合、1日の治療費は2万~3万円。間をとって2万5000円とすると、30日間の入院で75万円になります。

 

ギョッとする額ですが健康保険が使えますから、自己負担額は1~3割(親の所得で変わります)。1割だとすると7万5000円の支払いです。

 

次のページでお話しする「高額療養費制度」を利用すれば減額されますが、入院中の食事代(図表1)が30日分必要になるので、合計すると1カ月で約10万円はかかると覚悟しましょう。

 

※上大岡トメ氏の書籍『マンガで解決 親の介護とお金が不安です』より引用。なお、図中の情報は2021年4月時点のデータに基づいています。
[図表1]入院時にかかる費用の目安は? ※上大岡トメ氏の書籍『マンガで解決 親の介護とお金が不安です』より引用。なお、図中の情報は2021年4月時点のデータに基づいています。

 

次ページ「医療費が払えない…」を防ぐ“高額療養費制度”とは?

※本連載は、上大岡トメ氏による著書『マンガで解決 親の介護とお金が不安です』(主婦の友社)より一部を抜粋・再編集したものです。

マンガで解決 親の介護とお金が不安です

マンガで解決 親の介護とお金が不安です

著者:上大岡 トメ
監修:黒田 尚子

主婦の友社

ベストセラー『スッキリ』『キッパリ』を生んだ漫画家上大岡トメ氏が、超高齢社会&介護未体験ゾーンに突入! いま、なにをするべきなの? 上大岡氏の「親の介護とお金」の疑問を、介護問題にも詳しいファイナンシャルプラ…

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