【Q1】早く就職が決まったら「失業給付」はもらい損になる?
◆早めに再就職が決まるほど、再就職手当もアップする!
失業給付(基本手当)の受給期間中に早めに再就職が決まった場合、条件を満たせば「再就職手当」を受給できます。これは、早期の再就職を促すための仕組みで、失業給付受給期間中に安定した職業への就職が決まった場合などに支給されます。
支給額は、「支給残日数×給付率×基本手当日額」で算出します。支給残日数が3分の2以上残っている場合の給付率は70%、支給残日数が3分の1以上3分の2未満の場合の給付率は60%となります。
再就職先の給与に加えて、失業給付の最大70%にあたる再就職手当を受け取れるので、早めの再就職は、むしろお得になるケースが多いのです。
失業給付受給中に早く就職が決まったときの「2つの選択肢」
2つは併給不可。メリットを比較して選択&申請を!
失業給付(基本手当)を受給中の人が早めに再就職し、雇用保険の被保険者となった場合に受給できる給付金には、「再就職手当」の他に「高年齢再就職給付金」があります。これは、再就職先の賃金月額が「定年前の賃金日額の30日分の額の75%未満」である場合に、再就職先の賃金月額の15%を上限に支給されます。
2つの制度は併用できないため、どちらの申請を行うかを選択する必要があります。
例えば受給額は、高年齢再就職給付金では「支給対象月において支払われた賃金の最大15%」ですが、再就職手当では、「基本手当日額×支給残日数分×60%または70%」。支給方法なども異なるので、メリットが大きい方を見極めて選択しましょう。
【Q2】定年後、セカンドキャリアやキャリアアップのための学び直しで、「利用できる給付金」はある?
◆雇用保険に加入していれば、給付金で学費負担が軽減!
人生100年時代、学び直してキャリアアップ・チェンジにつなげる重要性が高まっており、定年後に「学び直し」をする人も増えています。
定年前後の学び直しであれば、記事『【定年後のセカンドキャリア】無料でスキル獲得も!…シニアのための「訓練校」最大活用術』で紹介したハローワークの公共職業訓練校が一般的。また「教育訓練給付制度」を活用すれば、受講費の一部支援を受けながら、専門学校や大学などで学び、「資格」を得ることもできます。
支援を受けられる資格や講座は、普通自動車第二種免許や調理師、保育士、FP検定などさまざま。現役時代に培ったキャリアを活かして、定年後にセカンドキャリアを形成しながら、新たな人生を歩むのも良いでしょう。
福地 健
ファイナンシャル・プランナー
社会保険労務士事務所 あおぞらコンサルティング顧問
(株)近代セールス社前代表取締役社長
CFP®(日本FP協会元理事)
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