(画像はイメージです/PIXTA)

定年退職後、継続雇用や転職でダウンしてしまった賃金を補填する「高年齢雇用継続給付」。この給付金の金額は、自分で計算して予想することができます。具体的に見ていきましょう。※本記事は『いちからわかる! 定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド 2023-2024年最新版』(インプレス)から抜粋・再編集したものです。

3つのステップで給付額を計算してみよう

高年齢雇用継続基本給付金の給付額は自分で計算して予想することも可能です。下に示す図表の流れにしたがって、3ステップで給付額を実際に計算してみましょう。

 

1つ目のステップは、60歳定年時の賃金月額が受給要件の上限である47万8500円(2022年8月から2023年7月までの上限額)を超えないかのチェックです。定年時の賃金月額が47万8500円以上の場合は、この上限金額で計算し、未満の場合には、定年退職時の賃金月額で計算します。なお、給付限度額は36万4595円なので、60歳以降の新しい賃金月額がこの限度額以上になると、給付はありません。

 

2つ目のステップは、定年後の新しい賃金月額の低下率の計算です。ここでの数字が75%以上だと給付の対象外なので、75%未満の人のみ次のステップに進みます。

 

3つ目のステップは、給付額の計算です。例えば、図表のように、賃金月額が50万円から29万円に下がったケースの場合、賃金の低下率は60.6%になります。この場合、支給率は早見表にあてはめると15%となり、高年齢雇用継続基本給付金を毎月約4万3500円受け取れる計算になります。なお、この早見表での計算はあくまで目安額です。

 

給与の低下率と給付額を参考にして、再雇用後の給与について人事に相談・調整してみるのも選択肢の1つです。

 

なお、月給には通勤手当や会社からの食事手当、残業代なども含まれ、それにより多少給付額が前後します。

 

◆「高年齢雇用継続基本給付金」の給付額を確認しよう

【STEP1】 定年時の賃金月額が計算上限額の47万8500円より上か下かチェック

 

【STEP2】 低下率を計算する(←75%未満ならもらえる)

 

【STEP3】 給付額を計算する

 

[図表]「高年齢雇用継続基本給付金」給付額計算の3ステップ

 

 ★「高年齢雇用継続基本給付金」初回申請時に必要な書類は?★ 

 

手続きは基本、会社側で行いますが、稀に本人がすることも。2回目以降の申請には「高年齢雇用継続給付支給申請書」と賃金の支払状況を確認できる書類が必要。

 

提出書類

□ 高年齢雇用継続給付受給資格確認票

□ (初回)高年齢雇用継続給付支給申請書

 

添付書類

□ 雇用保険被保険者六十歳到達時等賃金証明書

□ 賃金台帳、労働者名簿、出勤簿など賃金証明書の記載内容を確認できる書類

□ 被保険者の運転免許証(コピー可)など年齢確認できる書類(マイナンバー届出済なら省略可)

 

 

福地 健
ファイナンシャル・プランナー
社会保険労務士事務所 あおぞらコンサルティング顧問
(株)近代セールス社前代表取締役社長
CFP®(日本FP協会元理事)

 

 

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いちからわかる! 定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド 2023-2024年最新版

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福地 健 監修

株式会社インプレス

世の中の物価高で年金受給額が目減りする中、定年後も継続して働き、いかに年金受給額を増やしていくかライフプランの策定は急務。 本誌では、退職時に必要な手続きを「リタイアしてアルバイト生活」「雇用継続」「再就職」…

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